居候、高杉くんの正体


「…」

『…』

「なんでついてくんだよ」

『っと言われましても家がこちらにあるもので…』

「…チッ」



私、朝帰りの居候"高杉くん"に会ってしまいました。しかも不良に襲われているところを助けてもらいました。神、神過ぎる!!でも…



「…家まで送ってってやる」

『いえ…結構です』

「…は?」



言えない…。これから同じ屋根の下一緒に暮らしますなんて恥ずかしくて言えない…!!



「…変わった奴だな」

『そうですか、そうですよね。すいません、変わった変人で』

「誰もそこまでは言『私、聞こえるんです。心の声が』

「…やっぱお前、変人だわ。」





『…』

「…」





…気まずい。はてしなく気まずい。だからと言って会話も続かない。しかも何この距離。なんで縦に並んでんの?なんで横に並ばなかった私!!



「…」

『…』



もうやめて!!これ以上の沈黙はやめて。それに早く帰らないと私のアイスが、アイス溶けるううううううう



…って、アイス忘れてたよ。よし暇だし食べちゃおう。そう思い私はさっきコンビニで買ったカリカリくんリッチチョコの袋を開ける。




うわ、おいしそう…

「…」

いっただっきまーす

「…」

お、つべたッ(冷たッ)!!!

「…それ」

『?!』

「美味いか?」

『……(コクリ)』



私がアイスを頬張っていると高杉くんが何故か隣にやってきた。え、なんですか?



「一口貰うぞ」

『あ、はい。…はい?』



一口…貰う?

頭の中でさっきの言葉を繰り返していると不意に高杉くんの顔が近づいてきて…あっ




―シャリ




「…ほんとだ、うめぇ」

『…え、何今の。あれ、もしかしててこれが噂の、間接ききききき…きす?』

「んじゃあ俺ん家ここだし、また「名前ちゃあああああん?!?!どこ行ってたの!?銀さん心配してましたよおおおぉぉぉおおお」

『…銀八?』

「は?何、どういうことだよ、銀八」



いつの間にか私達は家の前についていて、中から銀八が半泣き状態で出てきた。つか間接ききききす…




「あ、高杉おかえり」

「は?えっコイツも、もしかして…」

「そう、名前もここに住むよ。」

「……まじでか」

『そうだよ間接キスだよ。あわわわ、どうしよう。これ食べたらあたしが高杉くんとァァァァアア』











結局私はアイスを一口も食べられないまま総悟に全て食われてしまい、転校早々私は知恵熱でしばらく学校を休んだ。



居候、高杉くんの正体



(高杉くんは優しくて強くてプレイボーイで神)

(更にイケメンで溢れんばかりのフェロモンの持ち主)

(そしてヒーローである)



―――――――――――――


高杉と間接キスとか死ねる。












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