昔、ヒーローに憧れてたの
やあやあ皆さんこんばんは、名前です。ひょんなことから坂田ハウスに住むことになった私は、とりあえず坂田家の住民(否クラスメイト)と自己紹介をした。
*
「俺は銀八…って知ってるか。こいつは見てわかる通り、弟の銀時」
「よろしくね、名前ちゃん」
『よろしくです』
「コイツ等はたまにうち泊まりにくる右がドSこと沖田 総一郎くん」
「総悟です。普通に総悟様って呼んでくだせェ」
『えっ、様?えーよろしくね、総悟さ「名前、くんでいいんだよ」総悟くん』
「チッ」
「で、左がマヨラーこと多串 十四郎くん。フォロ方くんでも可。」
「"可"ってなんだよ。つか俺は多串でもフォロ方でもねェ、土方 十四郎だ。」
『土方…くん?』
「?!あっあぁ」
『よろしくね!』
「…よろしく。」
「あっれぇぇえ土方の野郎、顔が真っ赤ですぜィ」なんて言いながら総悟くんは土方くんを見る。すると土方はもっと顔を真っ赤にして「べべべっべつに赤くなんてなってねぇし」と否定した。風邪かって心配し顔を覗き込むと「見んな」と言われた。なんだよ、ひどい。
『あれ?もう一人、高杉…くんは?』
「あー、あれはな。」
「あいつは朝帰りでさァ」
あ、朝帰り……だと!?
「まっそういう訳で、改めてよろしくな、名前」
「おい銀八、飯はまだですかィ」
「はいはい、じゃあ飯にすっか。」
『あああ朝帰りって一体…』
*
あの後皆で晩御飯を食べてそれぞれお風呂に入り、アイスを食べようと冷蔵庫をあけるとアイスがなくて(そういえばここ、自分ん家じゃないんだ)あたしは一人コンビニにアイス(引っ越し祝いとして奮発してガリガリ君リッチ)を買いに行った。そして今帰宅中です、はい。
…てか思ったんだけど坂田ハウスさ、イケメンが多いよね。なんか一人平凡で悲しいや。…きっと高杉くんもすごいイケメンで、朝帰りだからホストみたいなことやってたり…なんてな(笑)
『一体どんな人なんだろうなぁ』
「…おい、アイツ。昨日銀八と一緒に歩いてた奴だぜ」
「ってことは高杉ん家の奴か」
『む?』
ふと振り向くと明らかやばい人達が。
「顔は……うん。」
「……うん。」
何故そこ無言ンンンンンン?!!いや、確かに平凡な顔してるけ「親分、コイツ人質にして高杉おびき出そうぜ」
『は?ひとじち…?』
「お、いいこと考えたな、お前」
『ま、待って。待って待って…』
人質?待って
「ちょ、大人しくしろ!!」
『やめ…や』
意味わかんない。怖い
『いや「ぐべらあああああ」
「な、何だっぐあ?!」
怖くて目をつぶるがいつまでたっても何も起きなくて、聞こえたのはさっきの男達の苦しそうな悲鳴と
「たっ高杉…?!」
「気安く人の名前よぶんじゃねェよ。気持ちわりィ」
"高杉"という男の声。何か記憶にあると思い、恐る恐る目を開くと目の前にいたのは…
『フェ、フェロモンくん?!』
後ろの席の彼だった。
昔、ヒーローに憧れてたの
(あ、てめぇは…)
(…ヒーロー!)
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