彼からのLovecall


今でも覚えている。 あの時の空をあの時の雲を空を、

君と私を。


















「名前、好きだ」

『わ、私も…大好きなの。』

「…名前」



彼がそういった刹那



―ダダダダダッ



大量の足音と共に





ドカァーンッ



潰れた扉が私達の前を横切る。そして聞こえる…



「「「ドッキリ大成功おおぉおぉおぉぉ!!」」」















『…え、ドッキリ?何それ、7話分引張ってドッキリ?そんなのうs「まじでさァ」

『……まじでか』



周りを見渡すとニヤニヤしている3Zメンバー。



『……』



騙された恥ずかしさと緊張がほぐれたというので私はストンッと音をたててしゃがみ込んでしまった。すると総悟が顔色を変えて私の前に来てしゃがみ込む。



「名前!!大丈夫か!?」

『ドッキリか、ドッキリ…じゃ、嘘なんだよね』

「え?」



私はガバッと総悟に抱き着く。



『留学とか嘘なんだよね。』

「えぇ」

『全部ドッキリなんだよね!』

「…あぁ」

『引っ越したりしないんだよね!?』

「……」



ふと黙り込む総悟。



『…総「引っ越しはしやす。」

『…っえ』

「ただ」



ふと立ち上がった総悟。見上げるとそこには



「引っ越し…ですけどね」



嬉しそうな意味深な笑みを浮かべる彼の顔があった。








この春高校を卒業した私は一人暮らしを始めた。そこは、大学が決定した次の日に父が借りてくれたマンション。移住する頃にはもう家具も移動済みでほんとに素晴らしい一人暮らしだ。





―プルルルル





ある一つだけ除けば。



『はい、もしもし』

<<「もしもし?俺、俺だけどさァ。」>>

『オレオレ詐欺かこの野郎。』



その問題とは…



<<「だってわかるだろ?俺が誰だか。」>>


『わかってるとかわかってないとかじゃなくて迷惑なんです。ていうか、毎日電話とかやめてよ』

<<「え、なんで?」>>

『だって電話代かかるし…それに』
  ・・
<<「直接会えるじゃん…って?」>>

『……わかってんなら電話すんな』

<<「…はいはい、わかりやした。」>>



隣人からの電話。



―ガラッ





 「おはよう、名前」

<<「おはよう、名前」>>


 『…おはよう、総悟』

<<『…おはよう、総悟』>>





そんなお隣りさんと私の毎日の日課。それは…





<<「なァ、名前」>>

<<『ん?』>>













































<<「今日も…好きだよ」>>

 「今日も…好きだよ」



Lovecall



『私は…大好き』

「知ってまさァ」






fin.


2011/12/03
















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