思いを胸に
土方と別れた後、屋上へと急ぎ階段を上っていると上から近藤くんが下りてきた。傷だらけの彼に
『あ、近藤くん。大丈夫?』
っと聞くと
「これもお妙さんからの愛のしるしだから」
っとニコッと笑って返してくれた。近藤くんは小学校1年の頃から彼女に猛烈にアタックしている。あんなに片思い出来る彼は本当に凄い。…って私もか。
『あ、あのさ近藤くん。』
「ん?何だい?」
『好きな人に告白する時って怖いかな?』
そう聞くと彼は一瞬はびっくりしたもののすぐ真剣な顔付きになり
「怖いよ」
っと即答。え、まじでか。しかし彼はすぐ"でも"っと付け加えた。
*
昔から私は彼の恋を応援していたんだけど彼の心のなかにあんな清らかな一途な想いがあったなんて始めて知った。
「怖いけど…俺はお妙さんが大好きだから。」
初めて分かった彼の想い。誰かを好きになるということの怖さ。でもそれを乗り越えた先に見えるのは?
思いを胸に
あの人の笑顔を好きという思いを胸にいざ屋上へ