(彼は大真面目)


「久々知、夏休みの宿題ナルト城の瓦取りに行くのだけだった?」
「なんだ、竹谷か。宿題?いや、もう一つあった」
「何?」
「これ。好きなものについて作文。400字詰め原稿用紙に何枚でも」
「1年生用みたいだな」
「ああ。もう一つはあんな大変なやつなのに、なめんな!ってなった。」
「でもお前どうせとうふ…」
「でさ!なんと!私は豆腐について書いた!」
「別になんと!でもないけどな」
「まあ見てみろって、自信作だからさ」
「ふむ」


...豆腐というものは私のアイデンティティの確立に無くてはならないものである。私が豆腐を好きだということは周知の事実であるだろうし、この題目で私が豆腐について記すというのは、上記の理由から簡単に想像できたと思う。しかしこのような論文でよくある、作り方だとか豆知識などは月並みであり今更な感じもするので割愛させて頂く。ここではどのくらい豆腐が私の日常と密着しているのか、ということについて述べることにする。まず最近の私と豆腐とのエピソードを知ってもらいたい。
巷では、は●なり豆腐(何かに引っかかりそうなので伏せ字にさせてもらう)とかいうぬいぐるみが流行っているらしい。これがまた面妖なもので、ケーキだとかたこ焼きなどという種類があるらしい。豆腐愛好研究推進委員会の会員としては邪道だと思いながらも、気になってしまうのは致し方ない。そこで私はショートケーキのはん●り豆腐の抱き枕を購入してみたのだが、そこはさすが豆腐と言ったところか。抱き枕としての仕事を完璧にこなしつつも、豆腐としての可愛らしさも持っている。ショートケーキやたこ焼きというあり得ない組み合わせは、豆腐の二次創作と言えば納得してもらえるだろうか。ちなみにはん●り豆腐には忍者verもある。
これは日常の一部を切り取ってここに記しただけである。他にも豆腐についての思い出、エピソードは沢山あるがそれはまたの機会にするとしよう。...


「…なんだよこれ!ただのお前の近況報告とはんなり豆腐の宣伝だろ!」
「いやいや。まだそこ序章のじ、くらいだからね。私はまだ本気出してないだけ」
「なんかお前らしくない文だし。」
「本みて書いた。コピペ改変みたいな。」
「なんか読むのだるくなってきた」
「ちゃんと読めよ。ちなみに山場はここらへんだから…」


(中略)...私は豆腐を本能で欲しているからである。フロイト的に言うと、まさに私にとっての生の本能というべきか。しかし生の本能とは死の本能と共にあるものであり、この豆腐をまた壊してしまうのも私自身なのではないか、という不安にも苛まれているのも事実である。しかし豆腐を食している時には確かに生の本能を...うんたらかんたら


「ってお前は哲学者か!なんだ生の本能って!」
「わかんね。」
「そんなんでいいんか…」
「適当でいいって。忍者には哲学なんて、いらないから。多分」
「大体はんなり豆腐から何があってこんな話に…。でもよくもまぁ豆腐についてこんなに書けるよな」
「数えたら102枚だった。豆腐。」
「はあ…」
「とうが10でふが2。だから102。」
「わかってるから」
「でも私さ、納得いかないんだよ。」
「はぁ…」
「書いてたら意味わからんなって最後は豆腐嫌いです、で終わってしまって」
「…おいおい」
「未完成なんだ…。未完成?そうだ。あえての未完成にすればいいんだ!」
「はぁ…」
「続きを考えなくていいし、何より文学じゃないか!明暗みたいな感じで」
「こんな作文に文学的要素はいらないだろ…」




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