その日は雨が降っていた。
一日中、ずっと。それを嫌だと言っている者が大半だった。


紫苑は雨の日は好きだった。
自分の心を洗い流してくれるようだったからだ。

しかし今日は嫌いだな。
ひとり教室でそう思った。

「傘を忘れた。」

呟いてみても誰かがいるわけもないのに。


その時、教室のドアが開いた。


*******


ネズミは廊下を歩いていた。

ひとりは嫌いではない。慣れてしまった。

傘は今日はいらない・・・・
ずぶぬれで帰りたい気分だった。

その時、ある教室から声が聞こえた。

「傘を忘れた。」

優しい声だった。
包み込んでくれるような、声だった。

こいつなら一緒に居たい。そう思わせる声だった。

声をかけてみようか。
怖がらせてしまうだろうか。

心の中で決める前に体が勝手に動いて、
教室のドアを開けていた。


*******

教室のドアを開けたのは
髪の長い男性だった。

「傘、あるから。入れてやろうか。」

誰かわからなかった。
でも、不器用に話かけてきてくれたその人は
とても優しい目をしていた。

「ありがとう、僕は紫苑。君は?」

僕が言うと、人と話すことに慣れていないようで
また不器用に言った。

「ネズミ。」

ネズミ・・・・
ネズミかぁ。

「よろしく、ネズミ。」

あ、そっぽを向いてしまった。


********

ドアを開けると真っ白な男が目に入った。

「傘、あるから。入れてやろうか。」

そいつは不器用な俺に笑顔で答えた。

「ありがとう、僕は紫苑。君は?」

声だけでなく笑顔も包み込むようだった。

「ネズミ。」

紫苑は俺の名前を何故か何度も呟いて。

「よろしく、ネズミ。」

人に呼び捨てで呼ばれる感覚がこんなにも
むず痒いんだと初めて知ったのがはずかしくて。

おもわずそっぽを向いてしまった。




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反省

うぅん。。。。なんだかなぁ。。。。悩

とりあえず一話のような感じに。

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