その日は雨が降っていた。
一日中、ずっと。それを嫌だと言っている者が大半だった。
紫苑は雨の日は好きだった。
自分の心を洗い流してくれるようだったからだ。
しかし今日は嫌いだな。
ひとり教室でそう思った。
「傘を忘れた。」
呟いてみても誰かがいるわけもないのに。
その時、教室のドアが開いた。
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ネズミは廊下を歩いていた。
ひとりは嫌いではない。慣れてしまった。
傘は今日はいらない・・・・
ずぶぬれで帰りたい気分だった。
その時、ある教室から声が聞こえた。
「傘を忘れた。」
優しい声だった。
包み込んでくれるような、声だった。
こいつなら一緒に居たい。そう思わせる声だった。
声をかけてみようか。
怖がらせてしまうだろうか。
心の中で決める前に体が勝手に動いて、
教室のドアを開けていた。
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教室のドアを開けたのは
髪の長い男性だった。
「傘、あるから。入れてやろうか。」
誰かわからなかった。
でも、不器用に話かけてきてくれたその人は
とても優しい目をしていた。
「ありがとう、僕は紫苑。君は?」
僕が言うと、人と話すことに慣れていないようで
また不器用に言った。
「ネズミ。」
ネズミ・・・・
ネズミかぁ。
「よろしく、ネズミ。」
あ、そっぽを向いてしまった。
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ドアを開けると真っ白な男が目に入った。
「傘、あるから。入れてやろうか。」
そいつは不器用な俺に笑顔で答えた。
「ありがとう、僕は紫苑。君は?」
声だけでなく笑顔も包み込むようだった。
「ネズミ。」
紫苑は俺の名前を何故か何度も呟いて。
「よろしく、ネズミ。」
人に呼び捨てで呼ばれる感覚がこんなにも
むず痒いんだと初めて知ったのがはずかしくて。
おもわずそっぽを向いてしまった。
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反省
うぅん。。。。なんだかなぁ。。。。悩
とりあえず一話のような感じに。
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