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  賭け事の応酬〜番外編〜


ルキーノがジャンさんにポーカーで負けた後。ちょっと前の作品から時間進んでます。



 ぐちゅぐちゅ、と耳を塞ぎたくなるような水音が耳を犯して、快感が俺を襲う。俺は羞恥にたまらず顔を隠した。
「ーーこら、ジャン?」
 甘さを含んだ優しい声で俺のことを叱りながら、ルキーノはやんわりと俺の腕を顔から退ける。
「ーーあ、う!…やぁ……!っ、ん……るきーの…」
 柔らかく俺を包み込んで、柔軟に受け止めてくれるベッドの上。俺とルキーノはただ貪欲に、お互いの身体を求め会っていた。
「っ、んう!」
 ルキーノの細長い指が、俺のカウパーを辿ってゆっくりと後ろの窄まりに侵入を果たし、中をほぐすように動かしてきた。それだけで、アタマ吹っ飛びそーな程気持ちイイ。俺はどうしようもなく、なすがまま快感にびくびくと身体を震わせる。気持ち良さにたまらなくなってすがるように逞しい首元に腕を伸ばした。
「っう、ぁん!……あ、っ、んぁ……ん、んっ」
 そうすると、ルキーノが抱きしめやすいように屈んでくれる。ぎゅ、と腕を首に回すと、近づいたルキーノの優しい唇が頬をそっと撫でた。
「…気持ち良いか、ジャン?」
「ふ、んんーっ…」
 甘く頬を掠めた吐息が耳に伝わってきてゾクリとした快感になる。腰に刺激が伝わってきて、思わずきゅう、とルキーノの指を締め付けちまう。下部から伝わってくる刺激を少しでも逃そうと、俺はルキーノの露出した肩口に顔を埋めた。はぁ、と熱い息が口から漏れ出る。
「ここ、だろーー?」
 ルキーノのムスクの匂いにほっと息をついていると、ルキーノの指が休むなとばかりに俺のイイとこをぐり、と押した。途端、ビリビリとした刺激が腰に伝わってきた。
「ひぁ!……、っく、ふ……う…!やだ、そこ……るきぃの……っ」
「イイ、の間違いだろ…?」
 肩口から顔を離してルキーノに訴えかけるも、セクシーな口元が弧を描いだだけで、手は一向に俺を追い詰める。
「あっ、あ、ア…!だ、め…っだ…、なん、か…もっ……いく…っ!」
「こら、ジャンーーだーめだ、我慢するって言っただろ?」
 言うが早いか、ルキーノは達する寸前の俺のモノを根元からぎゅう、と握った。
「う、ぁ、あんっ!…っやだ、やだぁ…ルキーノぉ……!」
 びくびく、と痙攣が止まらない身体を必死によじってルキーノに縋り付く。
「全く、堪え性がないなーー俺の言うこと聞くって言ったのはお前だぞ、ジャン」
「あう…、ふ…んんっ、…ぁ!…だってぇ……っや!そこ、ぁ…っ……ふぁあ…!」
 しょうがない、といった態度のルキーノに必死に言い返そうとしても、その間もルキーノの指や舌が俺を追い詰めるから堪らない。波のように襲ってくる快楽に溺れて、言葉もろくに紡げなくなる。
「ん?ーーだって…なんだ?」
「ひっ…く!だめ…っ、…ぁ、だめぇ…!も、きちゃ…っ…るきぃ……」
 意地悪い表情とともに、ルキーノは俺のイイ部分をつくように指を抜き差しし始めた。休みなく攻められて、もう理性もはちきれそうだ。俺はもう完膚無きまでに、こいつの技巧に溺れきっていた。
「はっきり言えよーーほら」
 言わないとイかせないぞ、と鋭い瞳が伝えていた。俺はなんとか理性を保つためぐ、っと息をつめてからはあ、と吐く。
「ーーだって…え、あんたの指…気持ちよくて…ぁ、んなの、ムリ…なんだよう…」
 息も絶え絶えに言いながら、ぎゅ、と目を数回瞑ると、ぽろり、と生理的な涙が頬を伝う。ぼんやりとしてしまった視界でルキーノを捉えると、なんだか堪えてるような表情が見えた。
「ーーーッ、たく…お前は……!」
 怒っているような声色で呟いたルキーノはぐい、と俺の頬を親指でなぞった。かと思えば、額に鎖骨に、頬に、なだめるような優しいキスが降ってくる。その柔らかな気持ちよさにも感じて、既に快感が高まっていた身体はもう限界だった。
 最後に唇にキスをされれば、もうなんとかとどめていた理性も焼き切れる。俺から強引に舌を絡めると、奪い取るような荒々しいキスを繰り返した。
「ふ、んんっ……はあ…は、ぁ…」
 先に顔を背けたのは俺だった。もう空気も脳に上手く届かない。俺は本能のまま、ルキーノに手を伸ばし口を開く。
「は…ぁふ、…も…だめっ……イきたい……イきたいよぉ…ルキーノぉ…!早く…ぅ…アンタの、ここ…に…入れてぇ…!」
 自分でも何を言ってるのか分からなくて、視界もブレてワケ分からない。でも、とにかくこの苦しさからなんでもいいから解放して欲しくて、俺はルキーノに良く見えるようにもっと足を広げてあらぬところを見せつける。目の前のルキーノの喉がごくりと動いたのが見えた。
「ーーージャン…ッ、クソ、この…お前いつからこんなにおねだり上手になった…!…く、ーーほら、入れるぞ」
「ぁッーーー」
 性急に前を寛げたルキーノはそれを当てがい、勢い任せて俺の中にズン、と押し込んだ。
「ア、ぁあーーーッ…!」
 一気に奥まで貫かれて、俺は耐え切れずルキーノが手を緩めたソレから白濁を吐き出す。勢い良く飛び出したそれは俺の腹を汚した。
「ッく…ぁ…!…締めすぎ、だ…このッ」
「やぁあっ、あっ!だめ、るき…ッ!…イったばっかぁ…」
 イッた衝撃で生理的にぎゅう、と中を締め付けちまうと、ルキーノが眉を寄せてセクシーに呻いた。それにまたも反応すれば、ルキーノはすぐ腰を激しく動かし始める。
「……っ、我慢しろ…!」
「ア!…ぁ、あーっ、あ、あ」
 抜き差しが繰り返されるたび、目の前がチカチカとスパークする。もうとっくに頭の中は真っ白で何も考えられなくなってる。口から漏れ出た息は熱く、下からもダラダラとカウパーがとめどなく垂れてシーツを汚していた。
「ふぁ、あ…っ…ま、たぁ…!」
「クッ……俺もだ…っ、ジャンーー…っ!」
 快感と射精感がまたもや迫ってくる。ルキーノももう限界のようで、動きはどんどん忙しなく、的確に俺のイイところを突いてきて俺を追い詰めた。
「やぁ…っら、め…っあ、ア!…るきーのっ、ルキーノォ…もぉやだあ!またイ、くう…!イッ…っ…ぁ、あっーーー!」
「ぐーーーン…ッ…!」
 俺が絶頂に達し、シーツを汚すと、すぐに中にいるルキーノのモノが跳ねて中に熱いものが注がれる。ハアハアと息をつきながらその感覚に酔いしれた。
「ふ、ぁ…はぁ、はぁ……」
「…ふ、……ジャン…っ、ん…っ」
「は、う……っ、るき、ん…っ、う…ふぁ」
 二人してベッドに沈むと、息を整えながらお互いにキスを交わした。このまどろむ瞬間がいつもサイコーだって感じちまうんだよなぁ…悔しいケド。
「…ン、どうした、ジャン……何笑ってる?」
「ん〜?…ふふ…なんでも、ね」
「そうか?…あぁ、…それにしても、やっぱりお前が着飾るのを見るのは興奮するぜ……今度またポーカーで賭けるか」
 ぽすん、と枕に沈めば、ルキーノが思い馳せた顔で、ベッドから落ちた衣装を眺める。その様子に俺は呆れたため息をついて、その形の良い鼻をつまむ。
「ばぁーか。もう二度とアンタとはやんねえよ…このけだもの」
 ルキーノの胸板に顔を埋めれば、くすりと小さな笑みが零れた。



 END

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