小説 | ナノ

  その腕で魔法をかけて


 孤児院の子供たちが喜び跳ね回る中、俺たちが多忙を極めるこの日。やっぱり俺は…今年も、教会やらなにやらやらなきゃならねー山積みの仕事に追われていた。朝とも言い難い時間からせこせこ働いてるっつーのに、俺はいまだ執務机の前でひたすら終わらない書類と格闘している。終わらないどころか、さっきから量が増えつづけている書類の数々… ワオ、書類でエッフェル塔が出来ちゃいそうヨ。
「あー……もー…いつになったら終わるんだよこれ……」
 書類の束を見てげんなりした俺は、高級なマホガニーの机に突っ伏してひととき現実逃避する。机のひんやりとして硬い感触がなんか気持ちイイ。
「残酷な事を言う様だが、睡眠時間はろくに作れそうもない…かな」
 つまりは、寝る暇も無え程大量だから徹夜でも終わらないだろう、と。…ああ、聞くんじゃなかったぜ。
「今日のダーリンは、ホント残酷だわ…街はハロウィンっていう一大事に大騒ぎだってのに、血も涙もないのねえ…」
 さっき外回りで見てきた仮装してはしゃぎ回るガキ共を思い出す。大喜びで次から次へと配られるお菓子に目を輝かせながら嬉しそうに口へ運んでいたっけ。ソウソウ、ハロウィンってこう、楽しくてタダでお菓子が食べれる祭り、ってカンジだったんだよな。俺のイメージではよ。
 それが、現実では書類の束に追われるという苦行を強いられているわけですよ。現実って残酷だねえ、ガキの頃は良かったわ…ホント。
「まあ、そうごねるな。…クリスマス前よりは、マシだろう?」
「そりゃいえてる」
 ベルナルドの苦笑いに、ふ、と俺も笑みが零れる。ありゃホント酷すぎるもんねえ…何時ぞやのビックレディ事件とか、色々思い出すことはある。まあ、あれよりマシなのは確かだが、辛いのにゃ変わりねえよな。
「にしても、ハロウィン…ね」
「ん?なにか?」
「ん、いや…よく考えたら俺たちってガキ共にお菓子配る側ばっかじゃね?つーか、なんでガキ共しかお菓子貰えねーワケ?大人でもお菓子貰えても良いよなぁ…」
 俺の話を聞きつつも手と顔は書類に向かっているベルナルドをぼんやり見つめる。それでこっちを見たベルナルドは俺の話にきょとん、とした顔をした後可笑しくてたまらないという風に笑い出した。
「我らがカポはたまに自由奔放すぎて困る。俺たちマフィアが仮装してトリックオアトリート?…なんて、顧問が見たら卒倒モノだ」
 まあ確かにな…。杖を振り回して威厳だの立場だのお小言を吐きながら、怒り狂う爺サマの姿が容易に浮かんでくるよ。
「最近の爺どもは、イヤに頭が堅くってよう…年は取りたくないねえ」
俺たちも、いつかはあんなジジイどもになっちまうのかと思うとウンザリだ。
「その点に関しては、俺も同感だね。そうだな……じゃあ、こういうのはどうだ?」
 そう言うと、ベルナルドは少し考えた後何かを思いついたようにニヤリと笑みを浮かべ、自分の執務室机から綺麗に包装された小さなキャンデーを一粒取り出した。
「このキャンデーを使ってちょっとしたゲームをするんだ」
「へ?……ゲーム?」
 手で摘んだソレを見せられてそんなことを言われるが、俺は見当もつかずに首を傾げる。どこからどう見ても普通のどこにでもあるようなキャンデーだ。一体このキャンデー一粒でナニをするっての?
「ルールは簡単。まず、ジャンが"Trick or Treat?"と聞く。そうしたら、俺がお前の目の前に両拳を突き出すから、そのどちらか片方を選べば良い…」
 ホウホウ。それはそれは、シンプルかつハロウィンの内容も取り入れた素晴らしいゲームだわん。にしても、こいつが俺にゲームを仕掛けてくるなんて珍しいな。こういうのあんま、しないタイプかと思ってたケド。俺はどこか楽しそうに話すベルナルドの説明に頷きながら、話の続きを急かした。
「そしてもし、ジャンが選んだ拳にキャンデーが入っていたら、それはTreat――つまり、当たりさ。ご褒美に、嫌というほどのお菓子をジャンにあげよう。…なんなら、ジャンがご褒美の内容を決めても良いよ」
「――ワオワオ!勝ったら、俺の好きなモノ貰えたりするのネ!なんてダーリン太っ腹〜。だったらドルチェ一年分でも頼もうかしらん」
「我が姫君の仰せのままに。……だけど、もしお前が選んだ方に何も入っていなかったら――」
「…ったら?」
 そこで一旦言葉を区切って俺を嘗め回すように見たベルナルドは、これ以上無いくらいにんまりと口角を上げフハハ、と小さく笑いを零した。その視線に俺の身体がぎくり、とする。ワオ、ダーリンの頭の中が透けて見えるワ。なんで俺ってアンタの考えてることすぐにわかっちまうんだろ…ああ、この思考が恨めしい…。
「じろじろ見んなこのポルノ眼鏡やろー!アンタ考えてること顔に出すぎ!わかるんだよ!どーせまた、俺にエロい事させよーとかあーだこーだ考えてんだろ!」
「…フハハ、さて…どうかな?」
 笑って軽くかわしやがってこのダメ親父め。
「――先にそれを言ってしまったら面白くないだろう?だから、最後まではどうなるか…秘密だ。…それに、この方がスリルが味わえて良い。……だろ?ラッキードッグ」
「ふ…、わーったよ。このゲーム、ノッてやる。でもまあ、確かに罰ゲームの内容はわかんねえ方が良いしな。精々ソッチ方面にハナシが行かないように祈っとく」
「――そうこなくては。じゃあ始めるよ、ジャン」
 俺のその返答に満足したベルナルドは頷くと、手で転がしていた小さなキャンデーを握り締めると同時に俺に見えないように両腕を執務机の下に隠した。
「おうよ。――ラッキードッグのこの俺に、勝負仕掛けて勝てると思うなよ?」
「――それはどうかな?かの女神様は気まぐれだと言うしね」
 俺の挑発にベルナルドが笑って応酬する。俺たちの間で見えない火花が散っていた。――勝つか、負けるか。こいつとの勝負はもうすでに始まっているのだ。
 ――俺に勝利をもたらしてくれる、と…頼むぜ?女神サマ。

 ごそごそと机の下で執拗に動かされる両腕。俺の視線は次第にそっちに向きながら、なんだかよくわからない緊張感が俺を包んでいた。
 ――負けるわけには行かねえ。これに負けたらこいつは満面の笑みで秘密にしていた事を暴露するに違いない。そして、きっとベルナルドに今日一日いい様に弄ばれるに決まってる。もしかしたら、書類がもっと増えちまう事態に発展し兼ねない。ソレだけは避けねばならない、この俺の身体のためにも。ウン。
 なんとしても勝たねえと……!
 そして脱獄したあのとき以上に意気込んだところに、ベルナルドの両腕の動きが停止した。それを黙視した後ベルナルドを見、目で合図されたのを確認する。…よし、もう良いらしいな。俺は頷いてゲームの始まりの言葉を口にした。
「Trick or Treat?」
 すっと俺の目の前に両拳が差し出される。俺は近づいてその拳をじっと見つめてみた。右拳はぎゅ、と隙間なく握ってあるのに対して、左拳は握ってはあるがちょっと膨らんでいるように手の握り方も違っていて余裕があった。――この差、ベルナルドの奴……わざとやりやがったな。
 次にベルナルドの表情にもなにかヒントは無いかと盗み見ているが、その顔はまっすぐ俺の方を見てにやにやと笑みを作っていたので、諦めて視線を下に戻す。――さて、どうするか。難しい顔をして再び視線を戻した俺はある事に気がついた。あぁ、そうか――…。俺がどっちかに迷うようにこういう小細工をしたんだろうが、逆に分かりやすくなっちまってる。ぎゅ、っと握った拳、柔らかく握った拳を見て、俺はにんまりと笑い自分の人差し指を正解だと思う拳にそっと当てた。
「―――こっちだ」
 ベルナルドの手の甲に指を当てると、ふう、と詰めていた息を吐いてちらりと俺を見つめゆっくりと口を開いた。
「………残念だな―――…」
 そんな言葉を吐いたかと思うとすぐに、そっと当てられた拳を裏返しがっちりと固めていた指をあっけなく開く。
 ――すると開かれた手の中から、ころん、と小さなキャンデーがその姿を現した。それは勝負する前と同じ姿のまま確かにそこに存在していた。
それを目視した途端、緊張が解けてふ、と頬が緩んじまう―――
 ……俺の勝ちだ。
「うっしゃあ!」
「ああクソ、俺の負けだ――…、流石、ラッキードッグの運は伊達じゃないな」
 思わずガッツポーズで喜んでみせると、ぽつりと手の中に収まっているキャンデーに視線を送りながらベルナルドは参った、と肩を揺らして悔しがる。アンタ相当勝ちたかったんだな…。
「いんや、これは運じゃねえよ?」
「え?」
 アンタが策略家だから勝てたんだぜ、と笑いながら続けると、途端にベルナルドが不思議そうな顔をして首を傾げた。
「俺…実はさ―――昔、このゲームやったことあんだよな。…ハロウィンの時じゃねーケド…こう、簡単な賭けとかすんのに、餓鬼の頃よくやっててさあ。……いつだったか、俺と勝負した奴がアンタと同じやり方をしててさ」
 俺の言葉にベルナルドはさっきの勝負に思考を巡らせながら、じれったそうに頷いて続きを急かした。その様子に自然と頬が緩む。
「――わざと左右の手の握り方を別々に変えるあのやり方。ベルナルドはゲームの裏を掻こうとするタイプだからああいう風にしたんだろうケド、実はあのやり方には穴があるんだよネ」
「っ、な…穴ってなんだ……?」
「マアマア、そう焦るなって。――ちょっと、ソレ貸してくれよ」
 どこか慌てたようなベルナルドに、俺はコイツを久々にからかいたいような気分になってきてにやり、と――ベルナルドが今にも握りつぶしそうな勢いで掴んでいる綺麗な包装紙にくるまれたキャンデーを指差した。すぐに、怪訝そうにしながらも渋々俺に投げて寄越してくる。俺はそれをさっきと同じように――ベルナルドがしていた時のようにベルナルドに見えないよう隠してから、左右の拳を対照的にさせてベルナルドの前に突き出した。
「ホラ、見てみろって――…アンタなら分かるだろ?」
 ウインクしてみせると、ベルナルドは不思議そうにじっと数分手を凝視した後。
「あ―――」
 俺が言いたい事に気がついてハッ、とした顔になって、フハハ、と苦笑いを浮かべ俺を見た。もう、気づくの遅ェってばよう。
「――…そうか、そういうことか…。これは気がつかなかったな」
「まぁ、やる側だと気づかないことって多いよな」
 ベルナルドの納得したような苦笑いにに満足げに頷く。そう、穴というのはこの事ーー親指の位置にある。このやり方はどうしても、手の中に持った何かを隠そうとすると人間は親指の位置がずれる。隠したものを持った手は上向きに、持ってない手は下向きになりがちになるのだ。そうなる事でどっちの手に物を隠し持っているかは一目瞭然っていうワケだ。俺も、初めて気がついたのはこのゲームをしてから随分経ってからだった。人間の身体って正直だよネ。
「――策士策に溺れる、か……。―――これは…参ったな、本当に完敗だ。……約束だしね。どんなご命令でも甘んじて受け入れよう」
 ふう、とため息を付いてからしょんぼりした顔で俯くベルナルド。その落ち込みぶり…アンタどんだけ俺が負けるの楽しみにしてたんだよ。ホント思考回路がオヤジだなあ。…もし俺が負けたら言うのも憚れるような凄えことさせるつもりだったんだろうな、考えるだけで嫌な予感しかしないわ。ホント、勝って良かったよな。
「――潔くて大変関心だよ、ベルナルドくん。そーだな…じゃあ何して貰おうかねえ」
 俺はにやにやとした笑みを向けながら、色々と考えを巡らせる。その間も、ベルナルドは執務机に座って今から刑を申告される罪人の如く静かにうな垂れていた。もー、んな顔すんなよう…しょうがねえなあ。
「ン…なら、ハロウィンというこのしち面倒くさい行事に追われてお疲れちゃんな俺を癒すコトを何かして貰おうか、内容はアンタが決めていいぜ〜。俺を癒せなかったら罰ゲームいっこ追加な」
 コイツの必死に慌てふためく顔が見たくて、ふざけてそう言うとベルナルドはぽかん、と拍子抜けした様な顔をしてから、ふ、といつものように楽しそうな笑みを浮かべた。
「そんな事でいいのかい?…ジャンは相変わらず欲が無いな」
 その言葉といつもの表情に拍子抜けする。
 そんな事って…俺なりに結構無理難題押し付けたつもりなんですケド…しかも出来る自信満々かよ…。なんか選択間違えたかもしんねえと思い始めていると、ベルナルドは椅子からおもむろに立ち上がったかと思うと、俺の机の前まで歩いてきて止まった。その動作だけで、何をされるのかと緊張のようなものが走って背筋が寒くなってくる。すると、すぐにベルナルドの手がこっちに伸びてきた。
「――ジャン……」
 蕩けるように弧を描き俺をじ、っと見つめるアップルグリーンの瞳と目が合う。
思わず身構えると―――次の瞬間には、ベルナルドの腕の中に抱き寄せられていた。途端、机越しにふわり、とベルナルドの体温とタバコと香水の混じった匂いが俺を包み込む。
「っ―――」
 ――それだけなのに、俺は身体の力がストン、と抜けちまったように指一本動かすことができなかった。
「っ、はは」
 抵抗できずただベルナルドに身を任せていると、俺の耳元でベルナルドの嬉しそうな笑い声が響いた。それに俺はびくり、と肩を揺らしちまう。
「っ、な……なん、だよう……」
「ジャンは本当に可愛いな…抱きしめただけで力が抜けるなんて――」
 そう言って、より一層強く抱きしめられる。慌てて力を入れて反発しようと思ったけど、ベルナルドの腕の中は物凄く気持ち良くて…気分が削がれる。
 ――ああ、コイツの腕の中、安心する。……きもちい、な…。
 俺は、魔法にかけられたように何もできず、ほっと息をついてベルナルドの肩に顔を埋めた。
「ホントだよ。ああクソ、なんだよ…こんな事で――……なんか癒し物質でも出てんのか?」
 可愛い、ともう一度呟いて、俺のうなじに顔を埋めるコイツに、なんだかちょっとだけ悔しくなってそんな事をぼやく。
「ふふ――それは、ジャンが俺で癒されたということで良いのかい?」
「…む、悔しいが認めてやるわん。……つうか、いつまで抱きしめてるんだよう」
 俺の頭上で嬉しそうに笑う声が聞こえる。段々気恥ずかしくなってきて少しだけ奴のコンプレートを引っ張ってみるが、そんなこと屁とも思わないようでベルナルドは背中に回した腕を更に強くした。
「んー…ふふ…もう少しだけ、な…。俺にとっても、お前が癒しでエネルギー源なんだよ。ここ暫く仕事に追われてばかりで、ジャンに全く触れていなかったから俺は枯れ果ててしまいそうだった――」
「……っ」
 暖かいベルナルドの匂いと体温に包まれながら、そんな甘い声で囁かれるとなんだか妙な気分になってきちまう。さっきから部屋が熱くなってきてるみてえだし、どくどく、と心臓がうるさい。う…なんだよ、あんなワーカーホリックっぷりを発揮してた癖しやがって。そんなの、俺だって……。
「……ッ!っ、うお、わ!……って、ドサクサに紛れてどこ触ってやがんだ…!」
 ベルナルドの奮闘ぶりを知っていることもあって、特に抵抗することもなく腕の中に収まって悶々としていたら、突然ベルナルドの手が俺の服の中に進入に腰辺りを弄り始めた。〜…ッちょっと大人しくしてれば付け上がりやがってこのエロオヤジ!!
「ジャンがこんなに近くにいたら、普通触らずにはいられないだろう?それに、ハロウィンはお菓子と共に恋人といちゃいちゃする行事でもあると誰かが言っていたよ」
「はあ!?」
 なに!?なんですのんその勝手な理論!?しかも、そんなの言ってた奴絶対居ねえだろ!俺がようやく抵抗を始めた間にも、ベルナルドの手はさわさわ俺の背中や胸や腹――いたるところを撫で上げる。その繊細かつ俺の性欲を刺激する動きに、妙な気分だったはずが完全にその気にさせられてしまっていた。
「っん―――」
 なんとなく悔しくて、ベルナルドの顔を見ようと顔を上げるとすかさず俺の唇はベルナルドの唇で塞がれてなにも言えなくなる。いつ誰が来るともしれない執務室の中。その中でキスをしている俺とベルナルド。この状況はいつぞやのボスの部屋で犯された出来事が思い返されて、その恐怖感と高揚感にはっとしてベルナルドのキスを解いた。いかんいかん。ここで流されるようでは俺の名が廃る。
「っぷは――、はあ……っ、ふ…。…ちょ、まて…ベルナルド」
「――ん、なんだい?」
 慌ててベルナルドの手を止めさせ、少し不服そうな表情の男に咄嗟に思いついたことを問いかけた。
「ここで俺を補給して仕事が滞り後丸2日程寝ずに働くのと、ここは我慢して今日一日寝ずに働いて俺を半日程補給するのと―――どっちがいいかしらん、ダーリン?」
 ちら、と机に山積みされた書類に目を配りながら、ベルナルドにウインクしてみせると存在を忘れていた、とばかりに書類を見て固まった。ウン、我ながらかなり恥ずかしい質問してると思うヨ。でも、そんなことに構っている暇は無い。これは、俺のカポとしての身が掛かっているのだ。その後、数秒考えこむように視線をさ迷わせるベルナルド。そして時計をひと睨みしてから、はあ、と小さくため息を付いた。
「なんという究極の選択だ――はぁ……、仕方が無いな…。ここは、一旦我慢するとしよう…」
「っんむ…っ、ふ」
 俺の唇にもう一回軽くキスを繰り返してから、ベルナルドは心底残念そうに離れた。
その答えにほっ、と息をつく。危ない危ない、なんとか執務室プレイは避けられたぜ…流石に二回もあのスリルを味わいたくねえ…。つうか、アレより凄いエレベーターでとか思い出す事は色々あるんですケド。――…いや、別に俺だってベルナルドと…、したくない訳じゃねえけどさ…。特殊すぎるプレイはどうかと思うんですよう。
「ここまで来てお前に触れるのを我慢するのはかなりの拷問だが――ま、楽しみは後に取っといたほうが良いしね。……ご褒美を励みに、寂しがっている仕事の相手をするか」
「ソウソウ。仕事仕事!」
 とぼとぼと自分の机の方に向かっていくベルナルドに、俺はほっとしてそう声をかけ自分の仕事を再開し始めた。
 しかし、俺は分かっていなかった。その後、激務を終えたベルナルドが我慢し続けた性欲を執務室プレイよりも凄い新たなプレイでぶつけられるということを。



END

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