海です。
「海やぁぁぁぁあああっ!!!!!!」
「こら、金ちゃん!!勝手に行っちゃあかん…!!って…おっクラゲや」
「謙也さん、謙也さん。はい、ワカメ」
「うぉっ!?頭に乗せんなや財前!!」
「お、謙也髪の色変えたとね?」
「千歳くん、さっき光きゅんがワカメって言うてはりましたやないの。でもそんな天然なちーちゃんもええけどなぁvロックオンvV」
「小春!?浮気か…!?」
「銀さん、ここ貝一杯あって刺さるで。気ぃつけや。」
「あぁ。堪忍や」
「おぅ、おぅ若者くん達は元気でええねぇ」
「………」
もう一回言います。
海です。
「…………お前ら」
海だよ!?あたしも遊びたいよ!!
でもね!?でも………
「合宿に来たんやろがぁぁっ!!!!」
「ふごっ!!」
そうなんです。
合宿なんです。
海なんです。
でも合宿なんです!!←
思わずぶちギレて、投げた旅行鞄が帽子被ったコケシ好きの監督に当たったけど、それはどうでもいい。←ぇ
「なぁにが、“海やぁあ”とか“おっクラゲや”とか“はい、ワカメ”とか“ロックオンvV”とか“浮気か!?”とか“貝一杯あって刺さる”とか“若者くん達”なのよ!!??」
「夏香…?あんまし海と関係ないのが入っとらんか?」
「そんなんどぉでもいいわ!!てか、白石!!」
「はいっ!!」
「あんた、部長でしょっ!?監督があんなんなんだからあんたがみんなを止めなさいよ!!」
「せ、せやな。すまん、堪忍な…?」
「まぁ、分かれば良いけど……ん?」
金ちゃんが服の袖をくいくい引っ張ってきた。
「なぁ、夏香?海で遊んじゃあかんの?」
「うっ……」
あぁっ、そんな可愛い顔して上目遣いで言わないで頂戴!!
「ワイ、海で遊びたいー」
「〜〜っ…もうっ。」
弱いのよ!!その顔!!
「…テニスの練習終わってから、夜に花火やろっか?」
「ほんま!?ええの!?」
「うん。その代わり、ちゃんと真剣に練習するのよ?」
「おうっ!!任しとき!!」
ニコっと笑って合宿所に走っていった金ちゃんに続いてみんな合宿所に向けて出発した。
「堪忍な夏香。俺がちゃんと止めてれば夏香に迷惑かけへんかったのに…」
「……ほら、白石。さっさと練習初めて、終わらせて、花火やるわよ」
すまんな。なんて、白石からの今日何回目かの謝罪の言葉を聞いて、ちょっと優越感を感じちゃって微笑んじゃったのは秘密。
楽しい、楽しい、合宿旅行
(結局遊んじゃうあたしもまだまだね。)
(夏香の笑顔にときめいたなんて…秘密やな。)