今私はクラスのみんなと夏祭りに来ている。

“中学生最後の夏休み1日位クラスメート全員で思い出を作れよ”という先生の一言で夏祭りに行くことになったのだ。

最後といっても、私達立海は付属校。高校でも結局また会えるのだ。


まぁ、私自身は嬉しかったりする。

クラスメートの中には私が密かに好意を寄せている幸村くんが居るから。

でも両想いにはならないのは百も承知しているし…でも今日位は仲良くしても良いだろう。



「そろそろ花火上がるってよ!!」
「マジっ!?じゃあ良い場所とりに行こうぜ!!」


クラスの1人が言うとみんなは場所をとりにうろちょろし始めた。

…あ、置いてかれちゃう……

人より少しトロい私はみんなの足の速さについて行くのが、苦になった。

いいや、1人で見よ…

そう思い、祭りの活気と正反対な神社に向かった。


が…、

「長谷川さん!!」

誰かが私を呼んだ。
顔を見なくても解る…幸村くんだ。

「どうしたの?幸村くん。」

「いや、君がみんなと反対方向に歩いてくから…調子でも悪いのかい?」

幸村くん、私の事心配してくれたんだ…じゃなくて!!

「ううん、大丈夫だよ?神社で見ようかなって思って…」

“なんでみんなと見ないの?”って聞かれると思ったけど、察してくれたのか幸村くんは聞いて来なかった。変わりに、

「そっか。…俺も一緒に見ていいかな?」
と言ってくれた。

そんなの寧ろ本望なのでコクっと頷いた。


「長谷川さんって…可愛いね」
「ふぇっ!?!?」

花火が打ち上げられた瞬間そんな事を言われて、思わず変な声が出たら幸村くんは吹き出して笑った。

こんな笑い方もするんだなぁ…じゃなくて!!

「君さ…俺と付き合ってみない?」

そう言って幸村くんは私の顔を覗き込んだ。

え、えぇっ!?

顔が真っ赤なのがバレそうで、思わず顔を背けてしまった。

「返事…聞かせてくれるかな…?」

どうしよう…心臓が煩くて言葉が出てこない。

やっと思い切って出た言葉は

「は…はぃ…」

尻すぼみになってしまった。

でも、幸村くんは凄く優しい笑顔で

「ありがとう。嬉しいよ…夏香」

と言って私の頬に手を寄せて…キスをしてくれた。

となりどうし
(ずっととなりで愛してるから)

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