「ま〜さ〜は〜る!!」
「なんじゃ夏香」
「今日は何の日でしょう!!!?」
私と雅治はいわゆる恋人同士である。
だから今日の事も覚えてくれてると思ったのに……
「さぁて、何の日じゃったかのぉ」
…忘れてやがる。
「酷いなぁ…今日は私の誕生日!!」
「そういえばそうじゃった」
いや、全然興味ない言い方されても。。。
なんか悲しくなってきたわ。
「な、何泣いとんじゃ夏香ι」
「ふぇ?」
あれ、私知らぬ間に泣いてたの…?
よっぽど悲しかったのかな、私。
「嘘じゃって、ちゃんと覚えとったよ。夏香の誕生日。」
「本当?」
「ああ。」
そう言って雅治はポッケからひと粒のキャンディを出して私にくれた。
「苺味、好きじゃろ?」
「うんっ!!ありがと、雅治!!」
キャンディひと粒だけ…なんて。
とは思わない程雅治からのプレゼントは嬉しかった。
「それと…もうひとつ。
…夏香。目ぇ閉じんしゃい。」
「?」
何かなぁとウキウキしながら目を閉じた。
次の瞬間唇に触れた温かいものは雅治がくれたキャンディよりも甘い甘い味がした。
キャンディひと粒
(甘い甘い恋の味)