「白石!?おい、白石!!」
「蔵っ!?大丈夫!?蔵ってば!!」
俺はバイブル白石や。なんでも完璧にやる俺が、今日の練習中……倒れた。
「………ん」
此処は…俺の、部屋?
あれ?俺って練習中コートで倒れへんかった?
ベッドから起きあがると同時にドアが開いた。
「あれ?夏香…?」
「蔵!!起きてて大丈夫!?」
「おー。まぁ単なる風邪やろな。………っ…!!」
頭に凄い激痛がはしった。
うわ、俺ホンマに重傷やな。
「ほら無理して起きあがるから。はい、体温計って。」
「おん」
夏香は俺の彼女や。
だから心配してくれんのは嬉しい。
…でも、なんでも完璧にこなしてた俺のこんな弱い姿、夏香に見せるのはなんや恥ずかしく感じた。
「なぁ、夏香……」
「いいから、蔵は寝てなさいって」
そう言って俺をベッドに押し込んだ。
夏香の顔が近い…
うわー…恥ず///
思わず顔が赤くなった。
ピピピピ
計り終わった体温計を見た夏香は凄く驚いた顔をした。
「殆ど40℃近くじゃない…本当大丈夫?」
照れたからやろ。…って言える元気も今はなかった。
「大丈夫やって。……と言いたい所やけど、今回ばかりは無理っぽいなぁー」
「そっか…。あ、蔵お腹空いてない?」
「そういやそろそろ空く頃やな」
「良かった!!食欲はあるね。………じゃーんっ!!」
そう言って夏香が出したのは
「…お粥?」
「そう!!あたしの手作り♪」
「夏香の手作りか。めっちゃ嬉しいで、おおきに…………って夏香?」
「ん?」
満面の笑みで夏香はお粥を蓮華ですくい突き出してきた。
「蔵、はい。あーん」
「!?」
いや、やって欲しいなっつう期待はあったけどな、いざとなると…ごっつ恥ずかしいでコレ///!!
「蔵ー早くしないとお粥冷めちゃうよ?」
「お、おぅ。せやな」
素直に口を開けば、お粥が口に入ってきた。
な、なんかエロい……
「うん、うまいで夏香。」
「本当!?良かったぁ」
「なんか、新婚夫婦みたいやな(笑)」
「確かにそんな気分になってきた(笑)//」
「なんなら夏香、今日うち泊まってってええで。」
「えっ!!いいの!?」
「俺のこと、看病してくれるんやろ?」
「蔵、なんかやましいこと考えてないよね?」
「当たり前や、俺今こんなやし。まだ夏香を傷物にするきあらへんもん」
「そっか…じゃ、泊まってこっかな。」
2人してえへへなんか言って幸せムードムンムンのときに、オサムちゃんからメールがきた。
『明日までには治してこいよ。金ちゃんがめっちゃ心配しとんで』
そりゃ早く治したい気分もある。
けどな…
明日まで治せなんて無茶な
(だってずっと一緒に居たいやろ?)