酔っ払い
※大学生
深夜、玄関でする物音に目を覚ました。
やれやれこんな時間に帰って来たのか。
「名前チャ〜ン!」
うるさ、、
寝室のドアを勢い良く開け、ベッドにダイブしてきた酔っ払い。
「荒北、酒臭い」
「んあ?」
「靖友ちゃん、今日はソファで寝ましょうね」
腰に巻き付いてくる荒北をひっぺがし開いたドアの向こう、リビングのソファを指差した。
明日は朝から大事な授業があるのだ。こんな酔っ払いなんかに構ってられない。
「イ、ヤ!!おれはなー、名前と寝んだよボケ」
話しかけると大声で返ってくるし、この問答が続いて寝れないのも嫌なので早々に放置を決め込むことにした。
「はいはい、お休み」
「あ?もう寝たったの名前チャン」
寝てんじゃねーぞとバシバシ叩かれるが無視だ。
私は寝る。
反応のない私に諦めたのか叩いていた手が止まり今度はぎゅうぎゅう抱き付いて来る。
「おれまだおかえりって言ってもらってねーのに寝んなよーバカおんなー」
この人変なとこ拘りあるよね。何とも愛らしいんだけど。
「おかえり、荒北」
「…てめえ!起きてんじゃねーかお!」
「ただいまは?」
「ん、ただーま」
よしよし。胸元にぐりぐり押し付けられる頭を撫でるとガルルルと唸った自称野獣。
「名前チャン、えっちしよーヨ」
「ふざけんな、さっさと寝ろ酔っ払い」