西へ沈む




村の西側。
火葬場を囲むように並んだ村人。
それに火がつくと夕闇のなか村人達の顔が紅く浮かぶ。
泣き崩れる義理の両親。立派な布で作られた装束はお家の良さを物語っているがそれも膝を地についたせいで泥塗れになっている。

死んでしまった夫との間にはまだ子供はいなかった。なにせ結婚して三日目の出来事だ。


「名前さん、申し訳ないが実家に帰ってくれないか」

「ええ。」


まだ16歳で未亡人になった。
そしてまた独り。





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