街から村への帰り道、大体片道2時間くらいだろうか。
マキシマさんの言葉が気になって上の空で歩いていた。山神様の山道に入り、もう村はすぐそこだ。

「あ」

茂みが揺れている、そう思ったらそこからあの狼が出てきた。
てっきりそのまま横切って行くかと思ったら何故かこちらにやってくる。確実に目が合ってる、、

今までにない近距離までやってきた。

動けないでいると鼻先を服に押しあて、フスフスと嗅がれる。なに怖い。食べても美味しくないですよ。

狼は気がすんだのか一歩下がると、機嫌が悪そうに目を細めていた。

「今日も薬を買って貰えたのだな」

「??」

周りに人気はないのに先日のように声が聞こえた。
本能というか勘というか、、よくわからないけどこれが山神様のお声だと思った。

いや、怖い、怖い

あまり関わっちゃいけないんだろう、家に帰ろう。
狼の横を足早に通り過ぎて、さっさと帰ろう。

「こら、無視は良くないぞ!」

聞こえない、聞こえない

最早小走りしてると横にまた狼。なんで一緒に走ってるのかこいつ。しっぽ振ってるし、何なんだ。

「荒北、お前楽しんでるな」

ん、あらきた、って聞いたことある、気がする、、

そこで一瞬考えたのが駄目だった。
私は躓いてまた転がっていった。







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