同窓会(1/3)




「ナマエ!」

「リナリー!」


私宛に届けられたハガキに書かれていた地図の場所へ行くとそこには久しぶりの親友が迎えてくれた。


「あははっ、リナリー超美人になってるし!」

「えーそんなことないわよ!変わんないって!」

「いやいやリナリーは昔から綺麗だったもんね。」


10年振りに会う親友は長かった髪の毛をバッサリ切っていたがその愛らしさがなくなっていることはなかった。むしろ短く整えられた髪が彼女の美しさを引き立てているというか。とりあえずとても綺麗になっていた。


「ナマエも綺麗になったわね、コレのおかげかしら。」

「やだ、リナリーったら。」


親指を立ててくすくす笑う彼女の指を仕舞わせて私達は10年前のように笑った。10年会っていないというのにそんなブランクを感じさせないほどの居心地の良さに「来てよかった」と、ここに行く事を許してくれた、もうすぐ私の伴侶となる赤髪の愛しい人に心の中で感謝した。


「みんな待ってたのよラビ夫人。」

「もうっリナリーったら!」




同 窓 会






私が席に着くと懐かしい顔ぶれがまるで新しい肉に食いつくハイエナのように群がった。


「ナマエ〜結婚おめでとー!!式はいつ!?呼んでね!」

「純粋に祝いにくるならいいわよ。男目当てでくるなら金だけ置いて帰りな。」

「そんなぁー!!自分だけ!?」

「もちろんよ。」


ぎゃはは、とお世辞にも上品とは言えない笑い声を皆でしていると向こう側の男衆からも私に対して揶揄が飛ぶ。その中、こんな集まりには来ないような人を発見して私は少し驚くのだが、隣に彼と昔から行動をしているアレン君を見つけてなんなく察する。彼は相変わらず、皆の波には乗らず、一人チビチビとお酒を口にしていた。そんな彼の姿に昔彼に抱いた淡い想いを思い出して小さく苦笑した。


「ところでナマエ、肝心の夫は?」

「聞いてない?海外出張中。だから代わりに私が。」

「さっすが次期社長〜。こんな酒臭い同窓会より外交パーティってこと?」

「そんなことないって。ラビも行きたがってから。あのラビが飲み会を嫌がるような人に見えて?」

「あははっ、ないない。会社大きくする前に飲み仲間の輪を大きくするやつだもんね。」


そうそう、と皆で頷いて今日は欠席のラビをダシに大きな声を出して笑った。その笑いが収まらないうちにリナリーが彼女には不似合いなジョッキを持ってきてくれた。


「じゃぁ、ナマエも来たことだからもう一回乾杯しよっか。」


リナリーの声にすでに出来上がっているような皆が飲みかけのジョッキを片手に高く上げた。


「ナマエとラビの結婚に、乾杯っ!」


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