04



「今日は色々いきなりごめんね。」


私が何着か着直して、リナリーさんが手直しして、その作業を一通り終わらすとリナリーさんは満足そうな顔をしてお帰りなった。リナリーさんは「モデルの話はいつでもいいから。」と優しく言ってくれた。だけどそれに関わらず、私の脳内は違うことを考えていて、ずっとご主人様のことをぐるぐるぐるぐる考えいた。するとエントランス前でリナリーさんが微苦笑して私の両手を両手で包むように握った。


「ナマエは、私達に触られるの、嫌い?」


少し力の入った手に私は首を振る。そんなこと、あるわけない。だってリナリーさん達は、いつもその手で私を優しく撫でてくれて、触ってくれる。痛く、しない。それにリナリーさん達の手は、いつも、ほんとうに、温かい。そう鈴を鳴らせば、リナリーさんはほっとしたような顔を見せた後、少し影を落とした。


「じゃぁ、ナマエは私達に触るの、嫌い?」


一瞬、その言葉を理解するに時間がかかった。ん?リナリーさんから触れるのじゃなくて、私からリナリーさんに触れるの…?言われた言葉を脳内に一回聞き通す。よくわからなくて、もう一回聞き通す。そして私は首を傾げた。どうして、そんなことを聞くのだろう。だって獣人が人間に触れるなんて滅多にない。でもご主人様も私に「触れてくれ」と言った。それ以上、獣人の私が、触れて、いいのか。


「ねぇナマエ。」


呼ばれて、自然に下がってた顔を上げるとリナリーさんが私に言った。


「神田にね、」




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