■ 私のカノジョからのご褒美
試合の興奮そのままに抱き付いてきた名前(私がブザービーターと一緒にスリー決めたのがかっこよかったんだって、まぁ可愛いこと言ってくれるじゃない)を逃がさないよう確保して、私はにっこりと微笑んだ。
「さぁ、名前。」
何かを悟り背をのけ反らせた名前の腰にしっかりと腕を回して私は笑みを濃くさせた。
「私に頑張ったご褒美、くれるかしら?」
人差し指で名前の唇をなぞれば、ご褒美が何かを理解した名前が頬を赤くさせた。もう、可愛いったらありゃしないわ。
「え、え、こ、ここで…?」
「そう。ほら、早く。」
腰に回していた腕を肩に回して抱き直す。そして唇を撫でた指で名前の顎を持ち上げると、もう名前は私から逃げられないし、ご褒美を私にあげるまで離れられない。さぁ、どうするの?名前。早くしないと名前がどんどんしづらくなるだけよ?
「れ、れお……お、おねがい、ここじゃなきゃ、す、するから………」
「駄目よ、ここでするのに意味があるんだから。」
「玲央ぉ………」
うるうるとした目を見せた名前に私はにんまりとその唇からのご褒美を待ち続けた。キスするまで放さない姿勢をみせる私に名前は私の腕の中であたふたと狼狽え、隣でこちらを静かに眺めていた征ちゃんへと目を移す。じわりと涙を浮かべ、助けを求めるような目を征ちゃんに向けるのだけれども、征ちゃんはそんな名前ににこりと笑みを返した。
「…名前、僕たちの事は気にせず、玲央にご褒美とやらをあげるといい。」
「無理だよ気にするよっ!!」
ちなみにその後10分くらいで私は名前からご褒美のキスをもらった。唇じゃなくて頬への軽いキスだけど、征ちゃんや小太郎の前でを考えるなら、私からご褒美をあげてもいいくらい頑張った方じゃないかしら。なぁんて。
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