7.5
ユーリが料理してる背中を頬杖つきながら眺める。…うん、悪くない眺めだ。しかも香ってくる美味しい匂いがまたたまらん。一人暮らしだとついつい楽しがちだけど、やっぱ料理しなきゃなぁ。でも当分ユーリがいてくれるのなら問題ないか…。いや、問題ありありか。早く元の場所に戻ってもらうか他の住まう場所見付けてもらうかしてもらわないと。でも本人も帰る方法なんてわからないだろうし、不安だろうし、なるべく力になってもあげたいけど、どうすればいいのかわからないのはこっちも同じだし。
「はぁ…」
「溜息つくと幸せ逃げるぞ?」
「幸せは金で買うので大丈夫です。」
「誰もが思っているが決して出さない言葉をさらっと言ってくれたな。」
「まぁね。世の中お金ですよ。結果が全てよ。」
「ま、否定はしねぇな。」
「お兄さん、イケる口ですね。飲みましょうか。一杯やりましょうか。」
「お、いいぜ。」
「…というか、ユーリって今いくつなの。」
そうだ。ユーリって今いくつなんだろう。ゲーム上では確か…21だっけ。でもその時じゃないユーリがそのままこちらに来るって可能性もなきにしもあらず、だよね。あれ、本当にいくつなんだろう。冷蔵庫からビールを取り出し掛けて首を傾げると、ユーリが楽しそうに笑った。
「いくつに見える?」
「えー…未成年に酒を飲ますにはいかんしなぁ…。なるべくオーバー20でお願いしたい。」
「願望かよ。そういうナマエは?」
「えー?じゃぁ、私もいくつに見える?」
「ん?そーだなぁ…」
「ちなみに上でも下でも間違えたらテキサスクローバーホールドね。」
「どっちにしろ駄目じゃねぇか。っつーか何それ、秘奥義?」
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