たいしたことない、ただの掠り傷だよって言っても名前は困っちゃうくらい心配性だった。ま、実際困っているというよりも…、僕を心配してくれる名前を見るともう仕事なんて放り出してたっぷり可愛がってあげたくなっちゃうんだけど。名前は本当に優しいっていうか、甘いんだよねぇ。兵団にいれば傷の治り具合や痛みの程度なんてわかってるくせに、ちょっと僕が(わざと)痛そうな顔をすればすぐに心配して僕に付き添ってくれる。可愛いでしょう?僕の名前。でもあげないからね。


「まだ傷、痛むの…?」

「…ちょっとね。」


なんて意味ありげな微笑をすれば名前は簡単に騙される。巨人討伐の際、折れたブレードが運悪く肩に突き刺さっただけ。あの時僕より真っ青な顔して処置に当たってくれた名前を思い返すと、まぁ、負傷するのも悪くないなって呟いてジャンに呆れられたのは内緒。傷なんてとっくのとうに塞がっているし、痛くも痒くもない。ただ傷跡はまだちょこっと残ってるくらいかなってくらいなのに、名前ったらすぐ騙される。
ほら、今日もまた覚悟を決めた顔して僕を喜ばしてくれるんでしょう?騙されてるとも気付かずに。


「ゆっくりでいいよ。」

「う、…うん…。」


ほっそりとした腕を引き寄せて、細い脚が僕を遠慮がちに跨ぐ。下から見上げる名前の裸は絶景。兵士として残ってる傷跡は悔しいけど、それでも名前の肌は見惚れる程白くて滑らかで、胸の先端がつんと上を向いてて手を伸ばしたくなる。それに、体が火照ると古傷が微かにピンク色になって可愛いんだよね。
体はたくさん重ねた。というよりも、たくさん重ねさせた?…うーん、いや、一応同意してるからダイジョウブだいじょうぶ。でも僕から挿れることはあっても、名前から挿れることはさせてなかった。だって名前に「アル」って呼ばれると応えてあげたいし、僕にも我慢がきかない事があるわけで。いつもは僕からなんだけど、この怪我をしてから僕がアレを頼むと名前は顔を真っ赤にしつつも壁外調査に赴くような顔で応えてくれる。
名前って可愛いでしょう?でもあげないよ。


「んっ…」


名前が僕のものを入口にあてがう。だけど自分からその切っ先を挿れる事にまだ慣れてないのか、何度も剣と鞘が滑って収まらない。まだ?なんて急かすことはせず、大丈夫?って顔で見上げれば名前はハッと顔を赤くしてなんとか挿れようと頑張る。
まぁ、教えた当初はそんな光景を見ただけでも達してしまいそうだったんだけど(だって「は、入らない…どうしよう…」って僕を見るんだよ?もう…、巨人よりも怖い)、僕としてはそれじゃちょっと物足りなくなってきて、まだ痛む(事になっている)腕を動かし、名前の細い腰に手を置き、先を挿れやすいように持ってあげてゆっくりと腰を下ろさせた。


「あ…っ、はっ、」


ゆっくりと名前が腰を落として、僕のものが名前に突き刺さる。奥まで辿り着くと、名前が僕のものを苦しいくらいに絞めてきて思わず溜息が出てしまう。ねぇ、そんなに締め付けて僕をどうしたいの?僕はこんなにも名前のものなのに。まだ僕が足らないの?いいよ、あげる。全部君に捧げるよ。君の中に入ってるものも僕も心臓も。全部。だから名前を全部僕にちょうだい。


「…ねぇ、まだ終わりじゃないでしょう?」

「あっ、ま、待って…!あぁ…あっ」

「待たない。」


名前がいれて既に終わったみたいな顔してたから、まだ始まったばかりだよって名前の腰を上げさせては下ろした。びくんって波打つ名前の体を感じながら、感じてる名前の顔は本当に可愛いって何度も何度も打ち込んだ。
だっていつもは目を吊り上げて「団長」とか「団長」とか「団長」とか僕をそっけなく突き放す名前がこの時だけは僕を「アルミン」って呼んでくれる。涙浮かべて「アル、もう…っ」とか「お、おねが…い、」とか「ア、アル…!も、もう、許、して…っ」って言うんだよ。本当可愛いでしょう?僕の名前。
え?やだなぁ?
だから髪の毛一筋もあげてやらないってば。



アルミン団長!



「アル、もう…っ」

―まだだよ。


「お、おねが…い、」

―え?何聞こえない。もう一回言って。


「ア、アル…!も、もう、許、して…っ」

―本当に悪い子なんだから、名前は。
ほら、ちゃんと僕にごめんなさいって謝って。


可愛いね、ご褒美あげる。




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