死んでしまいたい
嘘だ。この人が潔癖症なんて嘘だ。
潔癖だったらこんな事できない、できないはずだ。
と、堪えようとしても溢れ出てしまう嬌声を両手で覆った。
「ふ、んんっ、」
しかしそれでも鼻に抜けて出てしまうこの声に、私の足の間に体を、顔を、指を埋めているリヴァイ兵長がふと顔をあげた。まったく嫌なアングルだ、死んでしまいたい。ベッドに腰掛けた私のあそこに兵長が顔を埋めているなんて。あの兵長を見下ろすだけでも畏れ多いのに、こんな、こんなことって…。
「変な息漏らすな。もっと可愛く啼け。」
「な、な、なく、なんて、できな…ぁんっ」
「やればできるじゃねぇか。それでいい。」
可愛く啼いた褒美だ、とばかりに兵長の指が優しくひっかくように中を撫でた。びくりと反応する腰を兵長の鍛えられた腕で抑えつけられ、とろりと零れた愛液を舌で拭われる。
(嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だうそだ!)
信じられない。あのリヴァイ兵士長が自分の下肢で指を濡らすなんて、そしてそれを舐めているなんて。彼の愛撫にも、彼が潔癖だという話も全部全部否定したくなる。恥ずかしい、死にたい、今すぐ止めて欲しい、憧れの、大好きな、兵長にそんな汚らわしい場所を愛撫させているなんて(いや、これは愛撫じゃない。愛撫じゃないって誰か言って)、そんな事をさせてしまうのなら巨人に食われた方がまだマシだ…!
「やぁあっ」
「おい、別のことを考えるな。俺を見ろ。」
一番敏感なところをちゅっと甘く鋭く吸われ顎がのけぞる。それでも兵長は私を捉えて放さなくって、俺を見ろという(今の私にとって)凶悪的な言葉におそるおそる兵長を見下ろす(だって言う通りにしないと何されてしまうか…)。すると兵長は、まるで大事な何かにそうするように、そこに口付けた。
「…っ、やぁっ、へいちょ、」
喘ぐのを塞ぐ私の手が捉えられ、隙間なく指が絡む。固く、大きな手に包まれた自分の手に安堵と、愛しさと、高揚がぐちゃぐちゃに混ざって、下肢からまたとろりと流れ出る感覚がした。
「は、ぁ…、へいちょう…へいちょ…」
「…なんだ?」
「貴方が、ぁ、潔癖って、うそ、です…」
「は?」
「潔癖だったら、こんな、こと、ん、くっ…、でき、なぁっ、んん」
私が途切れ途切れに言葉を発する間も、兵長の指は耳を塞ぎたくなるような水音を出し続けていた。合間、ぺろりと舌舐めずりした兵長に唇を奪われて、射るような瞳で見詰められて、私は、私は、
「馬鹿か。お前だから出来るんだよ。」
死んでしまいたい。