ユーリ・ローウェル


俺の唇に当たる吐息が甘い。

熱くて甘くていい香りがする。


「ん、ふ、あ…、ゆー、り」


何度も何度も唇を合わせるだけの行為なんてつまらなくって、もっと名前を感じたくて食べたくて近付きたくって俺のものにしたくって、舌を絡める。ああ名前の舌って何でこんなに小さくてぺろって食べられそうなんだろう(いっそのこと噛み千切ってやりたくなる)。もう俺の唾液と名前の唾液が溢れ出すぎて(…嘘。名前に俺の飲ませたいから唾液いっぱい出した。)名前の小さな口は許容オーバーみたい。口端から垂れてる。えろいけど、可愛いな。


「っ、るし…ぃ」

「我慢しろ」


名前はずっとキスしまくってる俺に苦しいと服の裾を握ってるけど、馬鹿、それ可愛いだけだから。名前本当可愛い。何その顔。俺の口そんな目で見て何が苦しいだよ。『もっと』って目で言ってんじゃん。だから俺、(その目による)リクエスト受けてやってんのに。ふにふにのほっぺが朱色に染まってて美味しそうに見える。名前は全部美味しそうに見える。いや、実際にどこも美味しいけどな。さらさらの髪が流れる額も、俺の事見上げる目も、ふっくらしたほっぺも、柔らかい唇も。全部全部、甘くて美味しい。
俺のキスにどんどん流されていく名前を壁に押し付けて、逃げ場なんてやらない、深い深い繋がりを求めてのキスをする。もっと名前が欲しい、もっと名前に近付きたい。体なんて要らない。名前と俺を隔てる体なんて要らない。っていうか何で俺と名前って別々に生きてるんだ?名前が俺の一部になればいいのに。俺の中に名前がいて、名前は俺しか求めちゃいけなくって、俺しか求められない、一心同体みたいなヤツ。そうならねぇかな。もっと名前にひっついてたらいつかそうなるかな。いや、キスの方が早くひとつになれるか?いやー、キスするんだったら俺はいっそずっと名前の舌食べていたい。むしろあれか、ずっとセックスしてれば名前とひとつになれるか。そうか、そうだよな。


「ふ、ユーリ…?」

「もっと気持ちよくなろうな。」


俺のキスにふらふらしそうな名前をゆっくりとベッドに押し倒して、倒される感覚にベッドに手をつきたくなった名前の手をわざと取った。すると名前は俺しか頼れるものがなくて俺の腕に名前の重みがかかる(って言っても名前の体なんて重くもなんともないけど)。一瞬泣きそうな顔をした名前の顔がこれまた可愛くて、俺に全体重を預けた感がもう堪らない。それでいい、名前。名前は俺しか頼っちゃ駄目だ。全部俺に任せてればいいんだよ。優しく、ゆっくり、名前をベッドに落とせば名前の小さな手がぎゅううううと握られてた。


「怖かったか?」

「ちょ、ちょっとだけ…。」

「俺が支えてたろ?」

「ユーリがいきなり手、取るんだもん。落ちるかと…んっ」


ぎゅううううと握られていた手、というか指を一本ずつ解いて緊張をほぐすように耳を舐めれば名前の首が竦められた。構わず小さな耳をぺろぺろしてたらせっかく解いた指が俺の手を握ってくる。俺の手よりうんと小さい名前の指が俺の指と絡んできて何これ幸せ。名前が俺の手求めてる。可愛い。嫌だって言っても放さない。握ってきたのは名前からだからな。もう放さないからな。


「ユー、リ…、耳やだぁ」

「俺は好き」


名前の耳ぺろぺろしてるの。一生してられると思う。名前が可愛い顔してるし、もじもじ身を捩ってるのもいい。それに名前のいい匂いがすごく香るから(多分、髪)ずっとしてられる。やだって言う名前の顔も色っぽくってすっげぇぞくぞくする(何でこんなに俺を煽るのが上手いんだコイツ)。きゅうううって握ってくれてる手を放すのはすっげぇ勿体ないんだけど、もっと色んな所も舐めて俺のだけにしたいからちょっとだけ(ちょっとだけな。)(終わったらまた繋ごうな。)放して名前の服に手をかける。その間も名前とはキスをしてて、名前が「いや」とか「待って」とか言うのを塞ぐ。その台詞を聞いてるのも全然いいけど嫌がる名前を脱がしてたら更に興奮してどっか舐め忘れそうになりそうだから今は駄目。そもそも名前の「いや」と「待って」は照れ隠しだからな。意味ない。

開けた名前の胸元は白くてすべすべしてて舌触りがいい。一番いいのは胸なんだがまだまだその頂きを食べる前に、下着と胸の境目、ちょうど胸の五合目あたりにかぷりと甘噛みをする。柔らかい。すっげぇ柔らかい。こんな幸せな柔らかさがあっていいのかと思うぐらい。それと、名前の谷間からはいい匂いがする。髪とは別の、いい匂い。ここに顔を埋めて寝たら最高にいい夢が見れる気がする。いや、名前が俺と一緒に寝てくれるだけで最高にいい夢見れると思うけどな。でも一緒に寝るなら腕枕してやりたい。名前の寝顔見ながら一緒に寝たい。腕枕は今度絶対やろう、と心に決めて名前の下着を下にずり降ろす。綺麗な色した可愛い乳首がちょこんと俺の前に現れてついぺろりと舐めてしまう。


「んっ、」

「可愛いな」


ぴくんと震えた名前も可愛くて、乳首を人差し指でくりくり押せば名前がふるふる震えながら俺を見てた。…すっげぇ可愛いんだけど。親指と人差し指で痛くないように摘まんで、反対の乳首に口を寄せた俺に名前は物欲しそうな目をしていた。


「…こっちも舐めてほしい?」


と聞けば、名前は小さくコクンって頷いて、頷くの名前すごい恥ずかしんだろうなとか心の中でにやにやしながらご希望通りに反対の乳首を舐めてあげた。ちゅるちゅる啜るように乳首を舐めてあげれば優しく舐めた分だけ名前から可愛い声が出る。もっと聞きたくてもっと舐めれば名前は俺の腕をゆるく握っていた。何名前、そんなに俺に縋ってたいの。いいぜ、もっと縋れよ。名前の視界には俺しかいないって。名前の世界には俺しかいないって。名前の縋るものは俺しかいないって、ずっと掴んでていいぜ。あー、もう、名前が可愛くて仕方がない。胸から顔を上げて堪らず名前にキスをした。名前とキスしてる時が一番好き。名前と一緒にいる時間が一番だけどその中でキスは特別。セックスはもっと特別。


「ぁ、ふ…」

「名前、」

「な、に?」

「名前と繋がりたい」


かあああと頬を赤くする名前。多分、名前はこの後の展開の事だと思ってる。それもハズレではないが、俺は名前と肉体的にも精神的にも繋がりを求めたい。ひとつになりたい。なってしまいたい。


「わ…わたしも、ユーリと…、ひとつになり、たい…です…」

「じゃぁ、なろうな。」


名前のひとつと俺のひとつは意味が違う。合ってるようで、合っていない。それでいい。名前はそれでいい。名前は俺の愛を親鳥から餌をもらう雛鳥のごとく受けてればいい。俺があげたいから。俺の全てを名前の体に注ぎ込みたいから。ただ、俺からの旅立ちは絶対に許さない。もし俺の傍から放れようとするのならその羽引き千切ってやるから。俺から離れようとする羽なんていらない。名前は俺の名前を呼んで、俺だけを見ていて、俺だけに触れていればいい。そしたら俺は、『名前が俺から離れる』以外の事だったら何でも名前にくれてやる。

だからなぁ、名前。



俺とひとつになって




(ホントの意味で。)





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