惜しみもなく真っ白な体を晒した名前を、神田は純粋に綺麗だと思った。惜しみもなく、と言ってもさせたのは自分で、名前は神田のベッドの上で荒く甘い呼吸を繰り返していた。ほんのりと色付いた頬は愛らしく、呼吸を繰り返すたびに上下する胸にはふっくらとした柔らかみと小さく可愛らしく自己主張しているもの。肉のついていない腹はエクソシストとしての筋肉がうっすらとついている程度で自分のと比べると柔らかく、薄い。
神田は名前の体を撫でる、というより何かの陶器に触れるように両手で包んだ。色付いた頬を両手で優しく包み込み、細い首を撫で、鎖骨を通る。柔らかな膨らみは撫でるだけで過ぎ去り、薄い腹も通ってやんわりと腰を掴んだ。
するとその優しい手付きさえ甘い感覚となって痺れてしまったのか、名前はぴくんと跳ねて意識を取り戻したかのように神田を見上げた。


「な、に…?」

「いや…」


果てた後の名前の気だるげな表情は甘かった。少し乱れた前髪を整えてあげて、瞑られた瞳を合図に口付けを交わした。ゆっくりと、優しく、先程の余韻を残すような甘さで。軽く覆い被さるようにして、神田は小さく呟いた。


「お前の体、綺麗、と思った」


その声は本当に小さく、聞き逃してしまいそうだったが名前はしっかりと聞き取った。聞き間違いかと思ってしまう程の言葉を。


「なっ、なにっ、を、」


名前はそれを聞くとすぐに頬を赤くし、手探りでシーツか何かを探すが情事中にそんなものは取っ払ったというか手元にはなく、取り合えず掴んだ枕を抱いて神田から体を隠した。


「おい」

「だっ、だって、そんな…っ」


枕で顔、というより口元を隠した(顔を隠したら体が隠れない)名前はもごもごと何かを言って、ベッドから起き上がりながらちろりと神田を見上げた。


「綺麗なんて……、そんな、わたし…」


そのまま顔を埋めてしまいそうな今の名前は綺麗、というより可愛らしかった。神田は離れた名前の体を引き寄せ枕ごと抱き締めた。ぴったりと体を合わせたかった間には枕が挟まれ、何となく惜しいが仕方がない。


「わたし、より、…ユウの方がそう、思う…」


抱き締めると名前はおずおずと肩口に頭を委ねてきた。


「筋肉とか、意外についてるし…、髪もさらさらで…、なんか色っぽくて…」


色っぽいという言葉を神田はすぐさま全面否定したかったが、その時、ぴっとりと名前が頬を胸にあててきて否定の言葉は何処かへ飛んでしまった。改めて名前を抱き直して、神田は名前の唇を親指で優しく押した。


「なに…?」

「色っぽいってのは、この顔だと思うがな。」

「…わ、わたし、そんな顔してる…?」

「してる。」


また赤くなっていく名前の頬は花のようだ。固い蕾からふんわりと色付いて花弁を広げる、花。白い肌は陶器、花瓶か何かなのだろうか。神田はあー、とかうー、とか言いながら恥ずかしそうに顔を枕に埋める名前の顎を取って、キスをした。キスをしながらまた名前をベッドに優しく押し倒し、頬を撫でる。


「明日は非番、だったよな」

「そ、だけど…ユウは任務だよね?」

「俺はいいんだよ」

「…ばか。私が任務でもするくせに。」

「うるせ、」


まだ抱いている枕を名前から引き剥がし、名前に覆い被さった。肌に感じる名前の滑らかな肌は手で触るのもいいが体で感じるのもいい。少し体をずらしただけで「んっ」と既に感じた名前に先程の情事を思い出させるように、神田はそこへ指を伸ばした。





触れて感じて





「わ、私の肌が白いのは血色が悪いだけよ!」

「へぇ」

「あっ、んんっ」

「こんな赤い顔しといて血色が悪い、ねぇ」

「んっ、ゃっ、いじ、わるっ」




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