髭さに

柔らかな隘路がびくびくと痙攣し、髭切は熱い飛沫を審神者の内奥に放った。きつく狭い、慎ましい審神者の中に隙間なくどころか隅々まで自分を満たしてやった気分になり、髭切は恍惚の息を吐いた。髭切の上に跨がる華奢な体、そしてその薄い腹の中に自分の子種を放ったと思うとぞくぞくとした愉悦が走る。審神者が懸命に腰を振って与えてくれた快感とは違う、もっと別の恐ろしい感情。
「うん、ちゃんといけたね。いいこ、いいこ」
そんな感情を秘めているとも知らずに、幼く清らかな審神者は頬を撫でる髭切の手に擦り寄る。柔らかい頬を押し当てる仕草が愛らしく、審神者のやわい唇を親指でなぞる。すると、従順な審神者は髭切の親指を口に含み、唇で甘噛みを繰り返した。そう教えた通りに指をしゃぶる審神者に、髭切はすうと目を細めた。
「頑張った主にはご褒美を与えなくてはね」
「ごほう、び……?」
「うん、何が欲しい?」
聞きながら審神者の歯列を割り、小さな舌を親指で愛撫する。ぐにぐにと舌を弄ぶ髭切の指に審神者がはふはふと息をしながら答えようとする。
髭切を包む柔襞がうねり、達したばかりだというのに丸い先端を締め付けてくる。もっと深い快楽を無意識に求めているのか、愛らしい体だ。
「君が望むなら、なんでも、いくらでも」
意識が飛ぶまで快感を与えて欲しいと言うのなら喜んで付き合おう、そんな気持ちで返事を待てば、待ちきれず押し込んだ親指をくわえながら審神者がおずおずと答えた。
「……あの、……キス、欲しい…………」
く、口に……。と恥ずかしそうに付け足した審神者に、髭切は己の欲深さに目の前を覆った。
(……え……、可愛い……。辛い……)
どんなに自分好みに教え込んだとしても、決して忘れない清純な心に軽い頭痛と甘い目眩が止まない髭切であった。
(こんなのズルいよ……)




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