源氏さに

ぷつんと立った頂きを、膝丸の指が優しく摘まむ。
親指と人差し指でくにくに転がされると、そこから甘い電流が走り全身が戦慄く。膝をついていても今すぐ崩れ落ちてしまいそうだ。審神者は逞しい肩に置いた手に力をこめる。
しかし、痛いと感じる一歩手前の絶妙な力加減で捏ねられると、審神者の口からは呆気なく喘ぎ声が零れてしまう。
「んっ、あ……っ」
薄く開いた唇には、既に膝丸の唇が触れていた。
膝丸の舌が喘ぐ審神者の赤い舌を、ぺろり、ぺろりと猫がするように舐める。
「君は、先をこうして苛められるのが好きみたいだな」
「んんっ……」
「いい。可愛いと褒めているのだ」
触れる吐息で膝丸が笑っているのがわかった。
こんな恥ずかしい褒め言葉があるだろうか。恥じるように体を捩らせても、膝丸の指は固くしこった蕾をしかと捉えていて離さない。
「こら、逃げるな」
「あっ、んんーっ……」
きゅう、と摘まれると、全身を強く捻られた気がして背が仰け反る。
体が引き絞られていく感覚に目を閉じると、それを追い掛けるように反った背中に何かが這った。
「あ、うぁっ……」
「ふふ、もしかして弟に苛められてイッちゃった……?」
駆け上がろうとした体を生々しい感覚が引き止めた。腰から背中へと、滑るように唇を這わせたのは髭切だ。真っ白な審神者の背中に無数の赤い花を咲かせてはまた一輪、花を咲かせる。
「ねえ、僕も連れてってよ、あるじ」
艶やかに微笑む髭切の吐息は審神者のうなじを擽り、膝丸へと向けられていた意識を掻っ攫ってしまう。
「や、んっ……ひ、ひげきり……っ」
しなる審神者の背中に吸い付きつつ、髭切の指が震える両足の間に滑り込む。そして溢れ出る蜜を指先で拭っては、敏感な芽にたっぷりと塗り付けた。
「あんっ、だめっ、そこ……っ」
「んー? でもすっごく濡れてるよ、ほら……」
――ぬるぬる。
「あっ……!」
甘く囁かれた言葉に全身が跳ねる。膝丸へとしがみつけば、反対側の耳に口付けられた。
左右の耳から、兄弟が楽しそうにしているのが聞こえた。
弄ばれている。わかっていてもこの腕を振りほどく気にはなれなかった。いや、最早ほどく気力さえ奪われてしまった。
「ああ、君を見ているとここが痛いほど膨れる」
「はやく一つになりたいってしくしく泣いてしまうんだよ、ほら」
跪いた審神者の前に、艶然と微笑む兄弟が立ち塞がる。
二振は肩を寄せ、そそり立つ肉棒に手を添えた。激しく興奮しきったそれは今にも弾けんばかりに怒張しており、欲望を滴らせていた。
「可哀想だろう? 君がそうしたんだぞ」
「ねえ、主。欲しいよね。僕達もはやく主と一つになりたいんだ」
何がしくしく泣いているだ。審神者からすればそれは涙ではなく涎のようだ。
ひとまわり太くなった先端から零れ出る透明の滴を、二振は擦りつけ合った。柔らかそうでありつつも、かたそうな先端が今か今かと審神者を食べたそうに涎を垂らしている。
顔の前に寄せられたそれからはむわりと熱気がこみ上げ、雄の匂いを審神者へと嗅がせた。
雄の熱が、匂いが、審神者の思考を鈍らせる。
「あっ……」
向けられる微笑みさえ愛撫。
審神者は甘い目眩に誘われるようにして、今宵も男に抱かれるのであった。




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