髭切

「――開いてごらん」
贈り物の箱を開けるのを促すように言った髭切に審神者は首を振った。
ソファの上で力強く首を横に振った審神者に髭切は駄々をこねる幼子を見守るように優しく微笑み、丸い膝を撫でる。
「いい子だから、ほら」
ほらと言われても。しかし膝を撫でる優しい手つきについ言う通りにしてしまいそうになる。髭切の手にうっかり緩みそうになる爪先を審神者は丸めた。
髭切を前に何も纏っていない両足を開くなど恥ずかしくて死んでしまう。いや、恥ずかしいを通り越してみっともなくて泣いてしまいそうだ。
ぴったりと閉じて隠した場所は既に甘い蜜が溢れていてその先を望んでいた。羞恥に悶えてしまいそうな心とは裏腹に、浅ましく髭切を求める自分の体が憎い。
「ねえ、焦らさないで」
焦らしたつもりはない。跪いた髭切が可愛くおねだりするように審神者の丸い膝に頬を擦り付ける。髭切の柔らかい象牙色の髪がふわふわと審神者の足を擽った。
それさえも気持ちよくて審神者がひくりと小さく震えると、その反応に嬉しそうにした髭切が膝に口付ける。自分へと目を細めた髭切の美しい笑みに心が震えるのを感じた。
好き。好きだ。この男が好きだ。
そう全身が戦慄く。
「舐めたい。ここ、ちょうだい」
「あ、あぁん……っ」
髭切に見惚れている隙に、両足の隙間をくぐって髭切の指が濡れた蜜口を擽る。指先で花弁を弄られるといやらしい音が恥ずかしげもなく響き、同時に審神者からも恥ずかしい声が上がる。
「舐めて欲しいでしょう?」
さも審神者が我慢しているといった口ぶりで聞く髭切に審神者はそんなことはないと首を振りたかったが、口から出るのは髭切を求める呻きだ。
「ふ、うぅ…………っ」
「ふふ、意地っ張りさん」
「あっ、やぁんっ」
髭切の指先が蜜口をノックするように触れる。先を埋めるのかと思えばすぐに離れ、今度こそ入るのかと思えばすぐに抜かれる。触れられた場所が息苦しそうにきゅうと切なく締まる。
「は……っ、んん……」
「君のここはとっても素直なのに、ここは嘘つきだね」




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