我慢くらべ

お尻に髭切の熱を感じる。かたく昂っている。
しかし今宵の髭切はそれを取り出そうとしなければ押し付けることもしない。ただ審神者の腰を後ろから抱き寄せては、指先を中へと向かわせる。
「――っ…………」
視線を下へと向ければ、髭切の手が夜着の裾を割って、あらわとなった肌を撫でながら下着の横から忍び込む。
「や、ぁ……っ」
花弁を掻き分け、指先まで綺麗な髭切の指が審神者の中へと埋まっていく。
なんて厭らしい光景なのだろう。何の引っ掛かりもなしに滑らかに入ってくる指に、自分のそこが喜んで髭切を受け入れているのがわかる。
「あっ、だ、だめ…………、今日は、し、しないって……」
髭切の指が入ってくる感覚に体が切なくなる。
審神者を後ろから抱き締める腕にすがるようにすれば、その腕の持ち主が耳元で笑った。
「うん? 大丈夫、しないよ。これはね、可愛がっているだけ」
笑った吐息で耳が擽られた。
髭切が言った通り、中に入った指はとんとんと優しく審神者のお腹を叩き、愛撫する。
「あっ……、あっ、やぁ…………っ」
しないと。今日はしないと言ったのに。
昨夜も髭切に求められ、疲れているからまた今度にしようと説得するも一回だけだからと押しきられ体を許した翌朝。いや、昼。
寝坊どころじゃない、と審神者は今夜はもう我慢しよう、絶対、ね!? と髭切に頼み込んだのだが、これは一体……。
「大丈夫、君を気持ちよくするだけ。いつも無理させてごめんね、今日はうんと気持ちよくしてあげるね」
無理させている自覚があるのなら程度を考えて欲しい。現在進行形で。
指だけならエッチじゃないよ。とでも言いたげな髭切だったが残念ながらこれはエッチだ。
宣言通り、髭切の指がゆっくりと審神者の蜜口を弄っては浅い出し入れを繰り返す。髭切の指が動くたび下腹部が切なくなり、その切なさをどこに発散すればいいのかわからない、迷子のような堪らない気持ちになる。
「ひ、ひげきり……っ」
「ふふ、君のお尻気持ちいい。そんなに押し付けられるといれたくなっちゃうよ」
「あぁ……っ」
つう、とお腹の裏側をなぞられ、指が動いた通りに体をくねらせる。髭切はそれを楽しそうに眺めては、審神者の耳に口付ける。ちゅ、と聞こえた音が審神者の脳を痺れさせた。
「約束だからね。今日はしないって」
君が許してくれるまで、僕はちゃあんと我慢するよ。と囁かれた勝利宣言に審神者は唇を噛み締めた。
今宵も髭切に負けたくない。そう強い心を持とうとするも、この男の前ではどんなに強い心で挑んでも粉々に砕け散ってしまうか、形も忘れるくらいにどろどろに溶かされてしまう。
「ふっ、うぅ……っ」
「気持ちいい? ほら、我慢しないで」
もっと欲しくなってきたでしょう?




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