膝上で融解(ユーリ)



恥ずかしくもユーリの指使いにピンと立ってしまった胸の頂きがとうとうユーリの指先に捕われてしまった。名前はぴくんと肩を揺らして無意識の内にユーリの膝上から逃げようとした。


「逃げるなって」


しかしユーリの指、というより手はしっかりと後ろから名前の膨らみを優しく掴んでいてすぐにユーリの胸板に戻される。おまけに反対の腕も放さないとばかりに腰に回っていて今の名前に逃げることなんて出来なかった。ゆっくりと脱がされていく衣服の衣擦れに混じって背中からユーリの口付けの音が聞こえる。ちゅ、ちゅ、と小さな音がするたびに背中に温かな唇の感触が名前を襲い、乱れた衣服を抑える手は既に意味をなしていなかった。


「…あっ、…は、」

「そ、我慢すんな。」


少し掠れた声が後ろから名前の溢れる嬌声を許す。肩先をかぷりと甘噛みされながらもピンク色のそれをユーリの指先がころころと弄び、名前はただただ膝上で細かく震えることしかできなかった。只でさえユーリの膝に馬乗りするように足を開いて座っているのが恥ずかしいのに、ユーリの口付けにいちいちぴくぴくと震えてしまう自分が恥ずかしい。


「っ、ん、」

「可愛いな、名前は」


なんて甘い声で言われて頬が熱くなる。こんな恥ずかしい格好されて可愛いわけがない。そう居心地が悪そうに膝上で小さく身動ぐとユーリが微かに笑った。


「ん?触って欲しいのか?」

「…?どこ…?」

「ここじゃないのか?」

「ッあ…!」


ユーリの行動行為一つ一つに既にとろんとした声の名前にユーリは口を歪めて腰を抱いていた手で中心を撫でた。思った通り、びくんと跳ねた名前をもう一度抱き直して熱が隠るそこに指先を押し付けた。


「ぁ…、ぁ、や、だ…、」

「嘘吐くなよ。足震えてんぞ。」


わざと耳元で言えば名前は頬を綺麗に色付かせ、可愛らしい涙目でユーリを睨んだ。睨んだ、と言ってもそんな格好をして、こんなにも自分の指先に感じてくれている姿では可愛いしか言いようがない。ユーリは片方の指で名前の胸を転がすように弄り、もう片方の指で名前の下半身の一番敏感なところを押し潰した。適度な優しさが名前の体をピンポイントに襲う。


「あっ、ぁ、だめっ、」

「イきそう?」


しばらく下着越しから名前の花芯へ執拗に刺激を与え続けていると名前の嬌声が何処か追い詰められているようなものになり、ユーリは先程より少し指を強く細かく動かした。まるで名前の体を知り尽くしたかのような的確な刺激に名前は緩く頭を振ってユーリの手を抑える。


「ユー、リっ、ゃ…、やめっ、てっ」


それでも動き続ける指先に名前は喘ぎながらも何とか言葉を紡ぐ。


「おねが…いっ、指じゃ、なくてっ」

「ん?」

「ユーリので…、いきたいのっ」


狙った指先に昇っていく意識を持っていかれないよう懸命に紡いだ言葉はパタリと止まった。引き上げられた熱は一瞬で止まって名前の下半身をじわじわと熱くさせながらも余韻は冷めていく。浅い呼吸を繰り返す名前をユーリは困ったように見詰めた。


「お前…、いつからそんなおねだり上手になったんだよ。」


溜め息に近いようなものを吐き出してユーリは名前にキスをした。後ろからのキスは少ししづらいが体がぴったりとくっついているから引き寄せられるようにできて好きだ。ユーリは名前の細い首に吸い付くようにキスをして赤い痕を残した。それをべろりと舐めてユーリは笑う。


「俺でよければ喜んで。」


何回でも。









融 解





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