とろりと溶けたものは

白く滑らかな太腿に頬擦りをし、足の付け根に口付ける。主からは駄目だとかやめてとか否定の声があがるが、無視をし、とろりと蜜を流す花園へと口付けた。


「ああ、こんなにも無防備に顔を出しては口付けてくれといわんばかりだな」


花弁の上には、ぷっくりとした主の花芯が顔をだしていて、ひくひくと動いては俺を誘っていた。小さな花芯を指の腹でつんと触れると、主はびくりと震えて声を上げた。仔犬が寂しさに鳴いているような声だ。主は可愛いなぁ、と下の口から蜜をすくいあげ、その芯に優しく塗り付けると主は俺の名前を呼んでまた高く鳴いた。おそらく止めてという意味で呼ばれたのだろうが、そんな可愛い声で呼ばれても求められているとしか感じられないし、もっと苛めたくなってしまう。


「君は可愛いなぁ、いたるところに触れて色んな反応が見てみたい」


例えばそう、この薄桃色のつるりとした花芯に舌で触れたら、どうなるか。
塗った蜜を吸うように花芯に唇を寄せて吸い付くと主は細い足で俺の顔を挟んだ。ううん、太腿に挟まれるとはなかなかに気持ちがいい。まろやかな太腿は俺には無いもので、いつでも触れていたくなる。女人とは何故こんなにも柔らかいのだろう、ひたすら顔を埋めていたい。と言ってもそう思うのは主だけで、別の女を見ても俺の心はちっとも揺れない。


「ん、蜜がこんなにも……」


花弁を指でそっとかき分けると、花弁でせき止めていた蜜がとろとろと零れてくる。敷布に吸わせるにはもったいないそれを舌先で拭いあげ、蜜が出る入口を穴の形にそって舐めた。俺の頭を押しやっていた主の手はすっかりと力を無くしてしまい、今は俺の頭を撫でるように指先が髪に絡む。華奢な君の指に触れられるのは気持ちがいい。可愛い。もっと俺を求めてくれないか、主。


「主、主。名を、呼んでいいか。君の名を呼びたい」


脱ぎ散らかした俺の着物を口元に引き寄せ、君はこくりと頷いた。何かに縋っていないと今にもとろけてしまいそうな顔をした主は俺の雄をひたすらに刺激する。けれど、せっかく縋るのなら着物でなく俺でいて欲しいのだが、と俺の頭を撫でる手と、着物を握る手を掴まえ、その手の甲に口付ける。


「……名前。俺の愛しい主」


そう名を呼べば、主が手を握る力を僅かに強くした。そんな些細な動きさえ可愛くて仕方のない俺は、主にくすりと笑って見せて覆い被さる。既に熱く滾った俺のものを濡れたそこに擦りつけると主はまた甘く鳴く。


「なぁ、君も俺が欲しいだろう?俺も君が欲しい。今夜は奥の奥まで繋がろう」


俺と君が一つになるまで。




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