D長編神田(微熱)


「ぁっ……ふ、ぅ」


外で、なんてかなり性急な事をしている自覚はある。しかも街から少し離れた茂みなんて、溢れ出る嬌声を指で噛み殺している名前にとても無理をさせているとはわかっていたが、どうも我慢の限界だ。腹が立つ。名前という存在自体をあの狼みたいな男にさらしているのが。


「んっ、…んぅっ」

「指、噛むな」

「…ぁっ、だ、って、声…、」

「出せよ」

「ふっ、…いじ、わるっ…、いわないで…っ」


だからと言って今名前を適当な木に背を押し付けて指を突っ込んでる理由にはならない。でも無理だ。嫉妬と性欲が入り交じって名前をぐちゃぐちゃにしたくなった。紅潮した名前の頬に何度もキスをして、ついでに唾液を絡めて耳を舐める。出し入れする指とソコからは懐かしくも興奮する水音が惜しみ無く響き渡り、名前が意味もない言葉を喘ぐ。


「みみ、やぁ…っ」

「嘘つけ」


気持ちいいクセに、と耳元で囁けば突っ込んだ指がきゅうう、と締め付けられる。親指で花芯を擽れば足がかくん、かくん、と折れる。名前を落とさないよう体を押し付けて下半身を押し付ける。少し解れた髪、紅潮した頬、零れそうな涙目、荒い吐息、全てが興奮する。可愛い。もっと泣かせたい。可愛い。
やらない。絶対、渡さない。コイツは俺のだ。俺以外の誰にもやらない、俺の所有物。落ちる涙から髪の毛一本全て俺の。誰が、あんなやつに、奪われてたまるか。


「あぁっ、ゆ…、ゆうっ、」


独占欲を指に託して思いっきり挿入を激しくさせると名前が喘ぎながら俺の腕を掴んだ。支えを求めてる手じゃない、と気付いて指を抜けば名前は「…ぁっ、」と切な気な声を出して俺にしがみついた。いや、抱き付いて、くれてるのだろうか。細い腕を俺の首後ろに回してぎゅうぎゅうと抱き付いてきてその愛しい小さな体を抱き締め返してやる。細い首筋をべろりと舐めてやれば「は、ぅ、」とびくりと震えてから、その甘い吐息が俺の首筋かかった。そして。


「ッ、」

「ん…ゆう、好き…すき。」


ペロリ、と首筋を舐められたかと思えば小さな舌がペロペロと俺の首筋を舐め続ける。仕舞いには熱くて甘い小さな痺れを感じて、ちゅ、と可愛らしい音がたてられた。もう一度甘い吐息を感じて、目眩がした。痕を、付けられたのだろうか。名前はまた俺をぎゅううと抱き締めて続きを促すような吐息を漏らす。


「どう、しよ…」

「?」

「久しぶりで…、おかしく、なっちゃいそ…」


そう言って首に顔を埋める名前の顔はきっと真っ赤だろう。見なくてもわかる。声も震えていて、本当、おかしくなりそうなのは俺の方だ。顔で手探るように名前の顔をこちらに向かせて唇を合わせる。自然と絡む舌に体の密着度が増す。増す。


「…ぜってー渡さねぇ…」

「…う?」


離した唇の感触が惜しくて指でふにふにと遊んでいると、名前は躊躇いを見せた後、はくりと俺の指を甘噛みした。小さな舌が俺の指を口内でちろちろと舐める感じに鳥肌がたつ。もちろんいい意味で。そんな名前を見て改めてあの野郎に渡してたまるかと思った。
このひどく甘い存在は全部全部俺のもので、誰にも渡さない。


「渡さないって…?」

「わからないならいい。」

「…?…っ、ん」


小さな口から指を出してまた名前の下を撫でる。とろりと流れているそれを取り出した自身に塗って入れたくて仕方なかったそこにあてがう。


「俺に集中しろ」

「…っん、ぁっ…!」






り込めるのなら、
り入ってみろ。



(このゼロ距離に入れるのは)




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