わからないヤツにはお仕置きを。(3/3)




神田のベルトを緩める音は何度聞いても慣れることはない。その時の私達は無駄に沈黙で神田のベルトの音しか聞こえない。余裕がない、とでも言うのだろうか。男の体なんて資料とか本とか仕事でたくさん見るのに、どうして神田の体は資料とか本とか仕事で見るような体つきをしていないのだろう?
引き締まった、形のいい体。広い肩幅からたくましい腕、それから引き締まった腰。綺麗なボディライン。その体を少し伸びてしまっている爪で優しく撫でると神田が擽ったそうに声を出した。


「…っんだよ…。」

「ん〜、綺麗な体だなぁと。」


さすがエクソシスト様。と付け足せば神田は私の胸を揉んだ。


「…んぅ、」

「なに、科学班のナマエさんも綺麗だぜ。」

「本当?お金とれるかしら?」


と言えば神田が私の腰に手を滑らしてまた花を咲かせた。


「俺が払うから誰にも見せんな。」

「ふふっ、了解。」






さっきよりもぐっと近くなった神田に私は自然と声を出していた。


「んぁぁっ、…は、…ん、…」

「……はぁ…………、」


苦しそうな、でもどこか最高に気持ちよさそうな神田の声に、私の中はきっとキュッと締まっている違いない。神田が顔を歪めている。


人間の生殖行為はなんとも恥ずかしいものだと私は思っていた。自分がここまで追い詰められたのは始めてだ、と。自分の限界を目の前で見られた、と。とにかく男に負けないためにここまで上がってきたのに結局男に自分の限界を見せてしまった。それがとても悔しかった思い出がある。

でも、それは、私が馬鹿にしていた男を相手していたからであって、そいつのことを見ていなかったのだ。でも、今は、


「あっ…かん、だっ!…んっ、はっ、ぁ、ぁぁっ」

「……ナマエっ……!!」


ぼやける視界の中、好きなあなたを見れば、そう、あの自尊心の強い神田も、限界を迎えそうな顔していて、お互い様なのよね。


「ぁっ、やっ!あぁっ!ぁ!や、も、…イっちゃ、…っ…!」

「…っは、いいぜ…!」


早まる律動。押し寄せる快感。乱れる髪、声、体、絡む吐息。


「…っ…ぁ、…あ!…やっ…ぁあああぁぁっ!!」

「………っ…!」




共に行く、二人だけの世界。











「じゃぁな。」


なんて神田は床に投げていたシャツを拾った。


「…は…………………?」


え、ちょ、何してんの。
と私は神田のシャツを握った。


「何してんのよ。」

「あ?帰れってたのお前だろ。」


と言って神田はシャツのボタンを閉めていく。
な、ま、マジでコイツなんなの!?


「疲れてんだろ、寝て…、」


ろよ、と言う前に私は神田を後ろから抱きしめて私は小さな声で言った。


「いてよ…、バカ…。」


今更帰るだなんて、許さないんだから。そう言ってやると神田が鼻で笑って、私と向き合って、抱きしめ返してくれた。


「…仕方ねぇな。傍にいてやるよ、オヒメサマ。」

「キモイ。やっぱ帰れ。」

「誰が帰るか。」



それから、私と神田は狭いベッドで体を寄せて一緒に寝た。


キモイなんて言ってごめんね。
だいすき。
 
 





好きと言いながら叱って。

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