ドキッ!神田家総出のユウ君お誕生日会!(1/2)


6月6日。

私とお母さんとお父さんはクラッカーを片手に(ビスコでもナビスコでもお菓子でもないよ!パーンって鳴るやつだよ!)リビングの扉に張り付いていました。誰かを待っているのです。そう、さっきお買い物を頼むという口実で家を出てもらった本日の主役、ユウ君を待っていました。ユウ君が家を出て20分になりました。そろそろ帰ってくるころじゃないんでしょうか…!と思っていたら玄関の扉が開く音…!おおうっ「ただいま」を言ってるのか言ってないのか判らんほど小さなこの声はユウ君だっ!私はお母さんとお父さんに目配せをして、三人で頷いた。がちゃり、とリビングの扉が開いて、本日の主役が登場した瞬間!三人でクラッカーの紐を引いた!


「!?」


ぱーんっ!と色とりどりの紙が大きな音と一緒に飛んでユウ君の(めっちゃ)驚いた顔やら肩やら頭やらに飛び散った!お、お母さんお父さん!ユウ君の貴重な驚いた顔です!しかし驚いてもイケメンフェイスを保っていられるとは…!さすがユウ君!死角なしですね!


「お、おまっ、な、なんだよ…いきなり…っ」


それでもユウ君はやっぱりどきどきしてくれたようで、いつに無い、冷静を保とうとしてるんだけどやっぱり驚いたような顔でクラッカーを鳴らしてうふふと笑ってる私達を見た。私達はあははと笑いあって、ダイニングテーブルに置いてある今時どこで売ってんだよ的な規格外の大きさを誇る誕生日ケーキ(私頑張ったよ!)をジャーンと見せて「ユウ君!」と声をそろえた!


「お誕生日おめでとう!!」
「お誕生日おめでとう!!」
「お誕生日おめでとう!!」


大きな大きなケーキの上にはイチゴと白いデコレーションプレートがあって、そこには私が書いた「お誕生日おめでとうユウ君!」の文字!本当はハッピーバースデーって書こうと思ったんだけどバースデーの綴りがわかりませんでした!すんません!

ユウ君はそれを目に入れると「あ、」と小さく言って(やっぱりコイツ自分の誕生日忘れてやがったな。)むふふと笑ってる私達を見て、「あ、…な、え、そ、…それで買い物…、」と少しうろたえた後、顔をほんのり赤くしてその場に座り込んだ…!え、ちょ、な、何この子!可愛いんだけど!い、いつものツンどうしたよ!で、デレか!こ、これがウワサのツンデレの方のデレか…!!か、かわいすぎんだろその反応!!

座り込んで、はぁぁぁあと大きな溜め息を吐いたユウ君の傍で私も同じように座り込んで、少し顔を上げたユウ君ににっこり笑った。(あぁもうこのイケメンまじで可愛いな。あれか、不意打ちに弱いタイプか!)


「おめでと。ユウ君。」

「………………。」


そう、私が言えばユウ君はちょっと赤い顔を隠すように視線をずらして、小さく、「…おう。」と言った。


(くっそ!なんだこの可愛い弟…!!)







おねえさんとユウ君

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -