ルージュを残して


軽く啄むような口づけを繰り返したあと、離した彼女がくすくすと笑う。

「福田さん」

白く華奢な指が伸びてきて、

お揃いですね

俺の唇を拭うようになぞる。


彼女のルージュが移った唇。


照れ隠しにその指をかぷりと噛んだ。










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