Dry(乾いた/冷淡)

青+桃




「青峰くん?」

隣を歩いていたはずの彼が数歩後ろで止まっていることに気づいて振り返る。
そして胸が締め付けられるような思いがした。
彼の瞳はストリートのコートを見つめていて。
その先には中学生だろうか、5、6人の男の子がボールを追い掛けていた。
楽しそうな声、弾むボール、シュートが決まる音。
それらが何と遠くに聞こえることだろう。
彼はどんな顔をしてそれを見ているのだろう。

「…ふん」

何事も無かったかのように歩き始めた彼の目も声も感情が読み取れなくて、何してんださつき置いてくぞの声で我に返る。

私は何ができるだろう。
どうしたら、乾いた彼の瞳に光が戻るだろう。
いつも答えは出ないまま、自分の非力さを感じながら目を閉じる。






Dry
(青は桃にだけ隙を見せればよいと思う)







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