とある理由にて(高緑)

女の子真ちゃん+ちょっとえっちぃ感じにつき要注意!!!
















なんで、なんでこんなときに…

「…真ちゃん?」

高尾の顔が近い。
それもそのはず、たった今、私と高尾はキスをした。
二人きりの部屋、家の中に自分たち以外人はいない。
途切れた会話、流れる空気が変わったことに、気づかないほど私も幼いわけではない。
近づいてきた高尾を、肩に触れた高尾の手を、顎をすくった高尾の指を、拒めばよかった。
いや、それ以前に、部屋にこないかと高尾が言った時点で、断ればよかったのだ。

「真ちゃん?どうしたの」

押し倒されたベッドの上で、必死に高尾の胸を突っぱねる。
雄の熱を持った高尾の瞳は獰猛で、ふるりと体が震えた。
いつもは流されていた、自分だって、好きな相手に求められるのは嬉しい。
口が割けても言えないけれど。
だが今日ばかりは、流されてはいけない事情があるのだ。

「…たか、お…いや」
「どうして?」
「どうしてもっ」
「キスしたときはあんなに気持ちよさそうだったのに」
「っ!」

くすりと高尾が意地悪く笑う。
ふわりと触れられた胸に体が跳ねる。
だめだ、警鐘が鳴り響き、咄嗟に高尾の手を叩いた。

今までにない抵抗に、高尾の肩が震えた。
余裕ぶっていた表情が瞬時に凍りついて、その一部始終を見ていた私の背中にも冷たいものが走る。
違う、違うんだ。

「…真ちゃん?」
「あ…ちが…」
「…ごめん、そんなに嫌だった?」

傷ついたような表情をさらす高尾に説明しなくてはならないのに言葉がでない。
早く早くと急かすほどに混乱して、頭が回らなくて、泣きそうな高尾の顔を見て、さらに混乱して、涙がでた。

「真ちゃん、泣かないで。ごめんね、泣くほど嫌だった?もうしないから」
「ちっ、がう…!」
「…もしかして、今までも我慢してた?無理しなくていいんだよ?」
「ちがうって、言って…!」
「じゃあ何で泣いてるの?」

それはこっちが聞きたい。
泣きそうな顔をしたまま困ったように高尾は笑って頬を伝う涙を拭ってくれた。
額にキスが降ってきて、もう一度ごめん、と言われた。
覆い被さっていた体が離れていく。
温もりも一緒に離れていくようで、咄嗟に高尾の服を握って引き留めた。

「真ちゃ…」
「ちがう!高尾がいやなんじゃないっ」

泣きながら絞り出した声に驚いたように見開かれた切れ長の目。
一度声がでた勢いで、羞恥も躊躇いもすべてかなぐり捨てて、そのまま拒んだ理由を口走る。
するとますます驚いた、というように高尾は固まって、呆気にとられたようにぽかんとしていた。
肩で息をしながら、嗚咽がもれそうになるのを堪えて睨み付ける。
羞恥に頬が燃えるように熱い。
しばらく二人でそうして見つめあっていたら、ぷっと突然、高尾が吹き出して今度は自分が呆気にとられる番だった。

「なんだ、真ちゃんそんなことか…」
「そっ、そんなことって…っ!」
「俺は構わないのに」
「ばっ、バカ!絶対嫌だ!汚ならしい!」
「嘘だよ。真ちゃんが辛いから、そんなこと、しない」

ぎゅうと覆い被さるように抱き締められてほぅ、とする。
どうやら誤解は解けたようだ。
代わりにとてつもなく恥ずかしくなって、抱き締めてくる高尾の背をポカポカと叩く。

「いてて、ごめんって真ちゃん。気づかなかった」
「言えるわけないだろうこのバカ者」
「ほんとごめん、恥ずかしかったよね」
「…まったくだバカ尾め」
「おしるこ奢るから機嫌直してよ」
「…む」

なかなか魅力的な申し出に、叩く腕を休めた。
ふわりと高尾が笑う気配がする。
涙はすっかり止まっていた。

「でもよかった」
「…?」
「真ちゃんが俺とするの、そんなに嫌がってるわけじゃないってわかったから」
「ばっ、調子にのるな!」
「いっ…!!」

思い切り叩いた背は、パシーン、と実にいい音がした。




次からは生理のときはなるべく二人きりにならないようにしようと、心に誓う緑間だった。





とある理由にて
(初女体化が生理ネタって…すみませんすみませんすみません。でも女体化好物です(だまれ))







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