▼Catastrophe(破局) 火黒 何処からずれてしまったんだろう。 はらり、と足元に落ちた一枚の写真。 これはいつの頃だろう、みんなでユニフォームを着て、みんなが、ちゃんと笑っている写真。 この頃から始まっていたのだろうか。いやもっと以前から、決まっていたのだろうか。 自分は何ができたのだろう。 大好きだったバスケが嫌いになって、大好きだった居場所を手放して。 守るためにもっと自分は何かできたのではないか、と考えるが結局自分は、逃げたのだ。 「何泣いてんだよ」 「…泣いてませんよ」 「…ふーん」 背中から包み込んでくれた温もりに感謝しながら目を閉じた。 一粒だけ落ちた雫は火神くんの手に落ちて弾ける。 破局していく何かを見ていたくなくて逃げ出した罪が今ならば、自分は何ができるだろう。 少なくともこの温もりが有る限り、二度と自分は逃げないと誓うのだ。 Catastrophe (キセキの過去に何があったのか) |