Catastrophe(破局)

火黒




何処からずれてしまったんだろう。

はらり、と足元に落ちた一枚の写真。
これはいつの頃だろう、みんなでユニフォームを着て、みんなが、ちゃんと笑っている写真。
この頃から始まっていたのだろうか。いやもっと以前から、決まっていたのだろうか。

自分は何ができたのだろう。

大好きだったバスケが嫌いになって、大好きだった居場所を手放して。
守るためにもっと自分は何かできたのではないか、と考えるが結局自分は、逃げたのだ。

「何泣いてんだよ」
「…泣いてませんよ」
「…ふーん」

背中から包み込んでくれた温もりに感謝しながら目を閉じた。
一粒だけ落ちた雫は火神くんの手に落ちて弾ける。

破局していく何かを見ていたくなくて逃げ出した罪が今ならば、自分は何ができるだろう。
少なくともこの温もりが有る限り、二度と自分は逃げないと誓うのだ。






Catastrophe
(キセキの過去に何があったのか)







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