▼Yielding(従順) 高緑 「高尾、早く漕ぐのだよ」 「っう、せーっ…ちょ、待って…」 高尾は自転車のハンドルに全体重を預け肩で息をしていた。 俯いた額からは雫石となって汗が落ちる。 「早くしないと日が暮れる」 「…いつもより遠出した、のに、運転手に労いのチューとか、ねぇの…?真ちゃん」 涼しい顔して高尾がひくリヤカーに乗車している緑間さん。 無駄だと思いながらも口にしてみた願望、 じゃないと結構体が限界だ。 「バカめ」 「やっぱり?」 「こんな往来でできるか。…部屋でなら、考えてやっていい」 「ですよねー…って、え?」 「だからとっとと漕ぐのだよ」 理解するのに10秒、足が動き出すまでに20秒。 「約束、だかんな!!」 スピードアップするまでに30秒。 後ろでため息が聞こえた気がするが構うものか。 俺は欲望に従順で。結局それは女王様で恋人な緑間に従順ってことになるわけで。 「真ちゃん大好き!!」 「うるさいとっとと漕ぐのだよ!」 まぁ幸せだから、いっか。となるわけです。 Yielding (女王様と下僕。飴と鞭。すなわちツンデレ) |