Virtu(美術品)

誠凛二年生ズ(日月+水金)



「なー日向」
「あー?」
「なーんで俺たちこんなとこにいんの?」

真っ昼間のとある美術館。
そこに置かれたソファを占拠した伊月と日向は退屈そうに、キラキラした目で絵画を見ている小金井を見た。

「…無料招待券を手に入れたカントクの我が儘?」
「俺もう飽きちゃったんだけど」
「てか水戸部はともかくコガがあんなに絵とかに興味津々とは意外だな」
「コガは純粋無垢だから感受性が高いんじゃない?」
「お、ツッチーも俺らに仲間入り?」
「そう。俺も限界」

ちょっとぐったりした土田が加わって、男子高校生が三人仲良く、絵画ではなく連れの見学を始める。

「あ、水戸部がきた」
「おー、コガのテンションが明らかに上がったな」
「…水戸部がにやけてる」
「あ、手繋いだ」
「おいおい、ここ公共の場」
「でも違和感ねーなー水戸部意外とやるなー」
「ほーんと、日向と違って男前」
「なっ…!?俺だってなぁっ」
「痴話喧嘩は俺がいないところでやってくれよ」
「…三人揃って何してるのかしら」
「「「!!」」」

せっかく連れてきてあげたのに!と大層ご立腹なカントクを宥めるために三人がどれほどの労力を費やすのか、
ただ静かに微笑むだけの美術品にはわからないのでした。






Virtu
(なぜこのお題でこうなった…)







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