▼Rutile(金紅石) 笠黄 眩しくて、目を細める。 「…センパイ?どうかしたっスか?」 とある夕焼け空、沈むオレンジ色の太陽におまえの金髪が透けて見えて。 なぁ、なんでかすごく、 眩しくて、綺麗に見えるんだ。 「…別に」 お前のおかげで夢が近づいた、なんて思えば胸が熱くなる。 心に誓った俺の存在意義、まだそれは誰にも話していないけど。 お前がいれば。 お前がいてくれれば。 それが現実になる、そんな思いが日に日に強くなる。 「変なセンパイー」 「うっせー」 お前は俺の (俺たちの) 夢を叶える金紅石で。 「なぁ」 いつからだろう、そんなお前に特別な思いを抱くようになったのは。 「キス、していいか」 溢れるこの想いは複雑すぎて名前がつけられない。 Rutile (ルチル。金紅石。 良質のものは美しい宝石となり、無色透明の合成品はダイヤモンドよりも輝く。 チタン鉱石として宇宙ロケットや航空機の分野で注目されている。 ) |