Occasion(好機)

火黒




冷たい雨が肌を刺すようだ。
突然振られて濡れ鼠になった二人は見つけた軒先で雨宿り。

「…黒子、大丈夫か?」
「は、い…なんとか…」

灰色の世界の中、隣を見下ろせば濡れたシャツがぺったり張り付いた黒子がいて、前髪から水が滴っていて…
どくん。
体の奥が疼いて慌てて目をそらす。
しかし鼓動は正直に早まるばかり。

しばらく葛藤しているとくしゅんと控えめなくしゃみが聞こえた。
それを好機だと思ってしまった俺は人としてどうなんだろう。
しかし、男としての本能が疼く。

「黒子、ここから俺の家まですぐだ。…走るか?」

ぴくん、と震えた黒子は何を思ったのだろう。
だがやがて、消え入りそうなほどか細い声で『お願いします…』と囁いた黒子の頬は赤かった。






Occasion
(sssのネタを更に広げてみた。いつか続き書きたいけどエロくなるだろなぁ…)







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