▼Occasion(好機) 火黒 冷たい雨が肌を刺すようだ。 突然振られて濡れ鼠になった二人は見つけた軒先で雨宿り。 「…黒子、大丈夫か?」 「は、い…なんとか…」 灰色の世界の中、隣を見下ろせば濡れたシャツがぺったり張り付いた黒子がいて、前髪から水が滴っていて… どくん。 体の奥が疼いて慌てて目をそらす。 しかし鼓動は正直に早まるばかり。 しばらく葛藤しているとくしゅんと控えめなくしゃみが聞こえた。 それを好機だと思ってしまった俺は人としてどうなんだろう。 しかし、男としての本能が疼く。 「黒子、ここから俺の家まですぐだ。…走るか?」 ぴくん、と震えた黒子は何を思ったのだろう。 だがやがて、消え入りそうなほどか細い声で『お願いします…』と囁いた黒子の頬は赤かった。 Occasion (sssのネタを更に広げてみた。いつか続き書きたいけどエロくなるだろなぁ…) |