無垢な羊が隠すのは



卒業式の日が雨で翌日快晴というなんとも間の悪い残念な野郎は誰だい?
あたいだよ!!(古い上にうろ覚え)

寒いですね最近…
何故こんなに寒いのでしょう。3月が終わるというのに!!
明日の最低気温なんか氷点下一度ですよ弓月の地方は…
信じられません(泣)


さてさて今回も福蒼です。
あまあまです。ほんとにあまあま、っていうか蒼樹さんがデレデレです。
何故私が書くと蒼樹さんが積極的になるんでしょう…

まぁそんなお話ですがよろしかったらどうぞ◎








無垢な羊が隠すのは




福田さんのベッドに2人でもたれて雑誌を読んだり漫画を読んだり、模写をしたり。
のんびりまったり過ごす夜。
傍らにはそれぞれ好きなお酒を一杯ずつ。
いつの間にかどちらの家にもお互いの食器一式が常備されるようになっていた。
ちびちびグラスを傾けて、作業に疲れたら他愛ない話をして笑い合う。
そんなぐずぐずしてまったりとろりとした時間を幸せだと思う。
やがて適度にお酒が体に浸透し、なんとなく甘えたくなって福田さんの肩に擦り寄った。
自分が借りているスウェットと同じ匂いがする。
そんなことも嬉しくて思わず笑みがこぼれた。

「…蒼樹嬢」
「はい」
「……見えそうで困る」
「!」

当然福田さんのスウェットは私には大きくて、襟がだぶだぶで…
咄嗟に下を見れば体が斜めになってる分余計にずり落ちて、鎖骨が出ていて少し際どい。

「っもう!福田さんのバカっ」

恥ずかしくて咄嗟に福田さんの腕に隠すように身を寄せた。
頭上でくくっと笑う声がする。
ちらと目だけで見上げれば、いつも被っているニット帽がなくて、お風呂上がりで少ししっとりした髪をした福田さんが柔らかく微笑んでいて、
どきりとする。

ゆっくり指が伸びてきて頬を滑った。すこし凹凸があるのはペンだこでしょうか。
大きな掌に頭や頬を撫でられて、うっとりした心地になる。
いつの間にか私の腕は福田さんの腰に回っていて、解放された彼の腕は私の腰を抱いていた。
吸い込まれるように唇が重なる。
啄むようなキスを繰り返し、繰り返し。
顔中に雨のように降りかかるそれは優しくて、じゃれているという表現がぴったりで。

胸が疼く。
もっともっと、欲しくなる。

「福田さん…」

見上げた彼の瞳はどこまでも穏やか。
焦れったくてその長い銀髪をくんっと引っ張る。

「なんだよ」

クスクス笑う彼は言葉とは裏腹にこちらの言い分をわかってくれたようで、今までよりも深いキスをくれた。
角度を変えるために唇を離す時間さえ名残惜しくて、繰り返すごとに激しさを増していく口づけ。
すがるように首に腕を回す。
頬を包んでいた大きな掌が背中に回って、一度だけゆっくり、うなじから腰まで撫で下ろされた。
ぞくり、と身震い。
彼に伝わっただろうか。

「…っは…ぁ…」

離れた唇から銀糸がのびる。
福田さんの瞳は明らかに先より熱を帯びていて、目元がうっすら朱色に染まっている。
そんな表情にさえ、ぞくぞくする。

彼の乱れた吐息が濡れた唇にかかるのがくすぐったくて、思わず唇を舐めた。
すると一瞬福田さんの表情が微かに動いて、
こくりと、彼の細い喉が鳴った。
音と共に上下する男性特有の凹凸を見て、何故かいてもたってもいられなくて、

ぺろり。
背をしならせて喉仏を舐める。

びくりと大きく震えた彼にとても満足してにっこり笑えば、驚きに目を丸くしていた福田さんは途端にむすっとした顔になった。
顔が赤い。
それを見てますます嬉しくなる。

「…蒼樹嬢」
「はい」

ぐっと肩に添えられた手に力がこもる。
見上げた瞳はもう完璧に今までと違って奥で何かが揺れていて、
ぺろりと舌なめずりしたその表情にざわりと体の奥が騒ぐ。
あ、たいへん。そう思ったがもう遅いし逃げる気もない。
顕になっていた鎖骨に歯を立てられた。

「覚悟しろ」

穏やかな時間の終わりを告げるそれすらも幸せだと思ってしまうなんて私は―――。


(無垢な羊は見た目に似合わず貪欲である)






*相手の大きな服をだぼだぼになりながら着てるのに萌えます。
福田さんの喉をぺろってしちゃう蒼樹さんが真っ先に浮かんだので書きました。
次はもっと受け受けしい蒼樹さん書きたいです…







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