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嗚呼、枯渇してしまう














はらはら、畳を濡らす雫は俺の目から溢れ出て、頬を伝い、そして落ちていく

「とまんなくなっちゃった」

何分、何時間、いったいどれくらい前から俺はこうしているのか
ぼんやり頭は重く靄がかかったようで、思い出せない


「臨也、」

頭がだるい
この男に名前を呼ばれるのが好きじゃない


「嫌だ、やだよシズちゃん」

呼ばないで

「いざ、「呼ばないでっ!!!」…っ、」

やだよ止めてよ
そんな風に呼ぶもんだから俺は今こうしてついに壊れてしまった

そうだこれは壊れたんだ
脳のどこかの神経でも切れてしまったに違いない
俺は脳外科に詳しいわけじゃないから分からないけど、精密検査でも受けてみたら浮き彫りになるのだろう、きっと
あの闇医者を頼ってみてもいいかもしれない

俺壊れちゃったみたい、治してよ
なんて言いながらはらはら止まらない涙をみてあの狂愛者はなんて言うだろうか

首無しライダーはドタチンはあの煩いオタク2人は妹達は波江は最近お気に入りの帝人君は正臣君は切り裂き魔であるあの子は街の人は、いったいどう反応するだろうか


折原臨也が仇敵のたった一言でこんなに脳内を破綻させられたことを
いったい、どう思うだろうか




止まらない涙はさらに落ちていく
身体中の水分すべてを出し切ろうとするみたいに
ああ枯渇してしまう





ねえシズちゃん嘘だと言ってよ
こんなタチの悪い冗談君らしくないけど、今なら特別に笑って許してやるからさ

ねえ嘘だと言ってよ







君が俺を


「臨也、好きだ」


ああ、あの声が離れない!











嗚呼、
 枯渇してしまう


((嘘だと言って、))
((嫌、言わないで))










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