「やる」
「えっ記念日でもイベントでもないのに。しかもカルティエ」
「素直に礼も言えねーのか」
「ありがとう!開けてもいい?」
「ん」
「これ新作だよね!?可愛い!えっなになに臨時ボーナス入ったの?」
「ちげーわ」
「可愛すぎてつけるの勿体ない…大事にするね特別な時につけるね!」
「毎日つけろ。いかなる時も」
「…いや傷ついたりしたら嫌だし…」
「また買ってやる」
「……」
「あ?ンだよ」
「盗聴器?」
「それはさすがにキレるだろーが。俺もそこまで監視しねーわ。暇じゃねーからな」
「じゃあ何?」
「セコム」
「……ん?」
「俺が傍にいない時に何かあったらこの出っ張りを5秒以上押せ。でかい音が鳴って相手を威嚇し自動で警備会社に通報されるように」
「いやいやいやいや」
「ダサいのだとどうせ持ち運ばねーだろ」
「そんなことはないよ」
「いいから腕貸せ」
「ちょ、あ……だけど可愛い……」
「じゃあ文句ねーだろ。見栄えもいい実用性もいい」
「勝己くんってさあ」
「あ?」
「ほんっとわたしのツボわかってるよね…普通に可愛い毎日つけたーいって思うから悔しい」
「当然だろ」

(181215)