「マジでありえねえ」
「いやありえねえのはお前だから!」
「最悪すぎる二人ともさっき見たの忘れてねごめんね」
「謝る相手が間違ってるだろうが!!本気で引っ叩きやがって!!」
「顔にモミジがつくのって比喩だと思ってた。ほんとにつくんだな」
「半分野郎表出ろ!!!」

「お前いつから洗脳とけてたんだよ」
「……こいつが個性がどうだとかどうでもいいこと言い出した時だ。マジでどうでもいいわお前の個性なんて」
「勝己くんがわたしの個性聞いたんじゃん。久しぶりに腹が立った」
「謝れよ爆豪」
「そうだ謝れよ!漢らしく!」
「うっせえな!!俺が悪かったわ!!!」
「マジで謝った」
「珍しいな」

「だけど無事に退院できてよかったな!」
「こんなに急いで退院しなくてもいいだろ」
「うるせえな」
「検査の結果も大丈夫だったもんね」
「余裕だわ」

「つーか事務所は?」
「連絡した。やっぱりあのクソ医者が情報操作してたってよ。道理で見舞いが少ねえわけだ」
「お前の人徳がないわけじゃなかったんだな」
「安心」
「オイ半分野郎ぶっ殺すぞ!!」

「あの医者、どうなるんだろうな」
「犯罪者だろ。ふざけたことしやがって」
「二人が捕まえてくれてよかった。本当にありがとう」
「爆豪お前、マジで素行直した方がいいって。恨み買いすぎだろ」
「っせーな」
「それは俺も思った。巻き込まれる方も大変だろ」
「あ、うん。まあ何ともなくてよかった。すごく悲しかったし泣いたけど」
「……泣いたのか?」
「うん、なんで?」
「いや。泣いてないんじゃねえかって、心配だったから」
「オイ半分野郎、人の女口説いてんじゃねーぞ……」
「忘れてたお前が言える台詞じゃねえだろ」
「ちょっと轟!煽るのやめろって!」

「だけどよかった。もう二度と勝己くんに、選ばれないと思ってたから」
「………」
「わたしは幸せ者だなあ」

「逆だろ」
「……轟くん?」
「お前に選ばれた爆豪が幸せ者なんだろ」
「………え」
「ちょ、轟、オイそれ本気でやべーって、」
「………」
「ほらキレてる!爆豪マジでキレてるから!!」

(180205)