「おい! 神城!!」
「獄寺…く、ん……」
私に声をかけてきたのは以外にも綱吉君の右腕の彼だった。
一体どうしたのだろう?
と首を傾げる私に、獄寺君は「あ〜…」と唸りながらチラリ、と私を見てきた。
「あぁッ!くっそ!!
おい!神城!!」
「あ、はい…!」
「テメェ少しは何時もみたいにバカ騒ぎしやがれッ!!」
「…………はぃ?」
意を決したのか彼は半ば叫びながらにそう言った。
その何と言うか…、微妙な要件に私は思わず間抜けな声を上げる。
(何が言いたいんだ、…コイツは…)
「ああ! くそっ…!
だから、少しは元気だせって言ってんだッ!!」
表情に出ていたのだろうか…。
慌てて口調荒くそう訂正した獄寺君は、バツが悪そうに私から目を逸らした。
その頬は心なしか、赤みを帯びている気がする…。
(…………まさか獄寺君が心配してくれるとは…)
確かに最近、綱吉君との事で悩んでいたのは事実だ。
しかしそれをまさか獄寺君が気にしてくれるとは、夢にも思っていなかった。
思わず、頬が綻ぶ。
「…ありがとう。獄寺君!」
「おぅ…」
外していた視線を私に戻し、照れくさそうに頬を掻く彼に久々に頬が緩んだ。
―私と貴方と優しき右腕―
(綱吉君は良い右腕を持ったな…)
そう獄寺君を心の中で褒めている私は、獄寺君がその時何を思っていたか何て考えもしかなった…。
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