君と俺と苦渋の決断


・私と俺との日常番外編
(スレ違いの真実)


―君と俺と苦渋の決断―






「よろしいんですか?10代目…」

「泣きそうな顔してたぜ…」




分かってる、分かってるさ!




「今じゃ何時もツナの事悲しい顔で見てるぜ…?」

「さっきだって 結局嗚咽を抑え切れていませんでしたし…」




五月蝿い、煩い、ウルサイ!!




「最近 痩せたようですし…」

「目の下の隈だって…」

「うるさい!!」

「!」

「じ、10代目…」




苛立ちに任せて叫べば 二人の困惑した表情が俺の目に映った。

分かってる…、分かってはいるんだ!


けれど…




「これ以上、近付く訳にはいかないんだ…」




「二人だって分かってるでしょ?」そう訊けば二人も俯いて口を閉ざした。




「けれど10代目!」

「ごめん、ちょっと一人にして」

「じゅっ…「止めろよ獄寺…」…山本…」

「なぁツナ…、いくら骸がアイツを狙ったからって 俺達が「ごめん、行くね」…ツナ…」




俺はその先を聞きたくなくて、走るようにその場を後にした。
山本が言おうとしていたことは分かってる…。
リボーンにも言われたことだ…。


だからって…




「簡単に“守る”なんて口に出せるかよ…ッ!」




気付いていないが、蓮はあの日骸の元にいた。
骸に攫われたんだ…。

幸いだったのは、そのことを蓮が覚えていなかったこと…。
骸の掛けた幻術で深い眠りについていたから…。

けれど、それが何だってんだ!




(骸に捕えられていたことに違いは無いし、危険だったのは事実だ!)




もうあんな思いしたくもない!
涙を流しながら骸に抱かれて眠る蓮の姿なんて、骸が蓮に刃を向けたあの瞬間だって、もう見たくない!!




「だから離れるんだ…」
(嘘だ離れたくない…)

「これが蓮の為なんだ…」
(違うアイツは泣いていた…)

「嫌いだあんなヤツ!」
(だけど…)




















嫌いだった。


苦手だった。


友達だった。


親友だった。






















好きになっていたんだ…。














涙が頬を伝う…。


夕暮れの中で
俺はガキみたいに声を殺さずに涙した…。




















―君と俺と苦渋の決断―

















愛してる





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