私と貴方といざ交渉!


・君と俺との日常番外編
(貴方の知らない攻防)


―私と貴方といざ交渉!―






「ダメだな」

「ムッ…。どうして?」

「ダメなもんはダメだ」

「…………ケチ…」

「そんな顔してもダメだ」




すまし顔で言われた私は文字通り不機嫌の絶頂にある。
その理由は私のお願いを彼が一言でバッサリと切ってしまったことが原因なのだが、そもそも 何故傍観者に徹する私がリボーン君に お願いなどしているのかと言うと、それは数日前の綱吉君の一言が始まりである。





『はぁ…』

『どうしたの?またリボーン君?』

『え? あ、まぁ…アイツの所為っちゃアイツの所為か…』

『?』

『いや、最近全然休みが無いと思ってさ…』

『休みって?』

『リボーンが来てから 毎日が厄介事だからな…。
普通の中学生らしい休みとか無くなったんだよな…』

『綱吉君…』

『ハハ…、蓮がそんな顔すんなよ?
いいんだよ…。
もう諦めたからさ。
俺はボンゴレの10代目なんだって…』






悲しげに落とされた彼の視線に胸が痛んだ…。
私が綱吉君をボンゴレから解放してあげることは出来ない。
(私にそんな力なんて無い)


けど…………。




「休みぐらい…。
休みぐらいあげても良いじゃない!!」

「……」




キッ!とリボーン君を睨めば彼はグイッとボルサリーノの縁を深く下げた。
それにより隠された彼の顔が、今、どのような感情を表しているのか 私には分からない。
(そもそも彼はポーカーフェイスを崩さないのだが…)

だが、ここで引き下がっては 何の為にリボーン君に接触したのか分からなくなってしまう!




「リボーン君!」

「………」

「……………………………………………………“マフィアは女に優しい”んじゃなかったっけ?…」

「!!」

「あれ、嘘だったんだ…。
へぇ、そうなんだ?
…………あれだけ綱吉君に言い聞かせていたのに それも全部嘘なんだ…。

へぇ…。
偉大な家庭教師様が嘘を生徒に教え…「チッ。今回だけだからな…」うん!ありがとう!!」




勝った!

そう思った私はニッコリとリボーン君に笑いかけて、綱吉君に報告すべく 流行る気持ちを抑えきれずに走ってリボーン君の前を後にした。


















―私と貴方といざ交渉!―




(チッ。ダメツナの奴、厄介な奴を見方につけやがって…!)

(綱吉君喜んでくれるかな?)













prev next



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -