・君と俺との日常番外編
(野球少年とその後)
―君と俺と勘違い―
「そういやさ、今日おもしれー奴に会ったんだぜ」
どこか最近聞いたような台詞と笑顔の武に 何となく嫌な予感。
「ああ? 何だよソレ」
「いや、だからさ 今日スッゲー面白い奴に会ったんだよ」
「おもしれー奴って…何言ってんだバカ」
嫌な予感と警報、現在も続行中の俺を余所に、何故か今回は珍しく武の話に口では気にしてないように言いながらも興味があるらしい隼人。
おい、俺の右腕名乗るなら俺の心情ぐらい察して武を止めろよ。
つか、話に乗るなよ、遮れよ。
「ほら、獄寺も知ってるだろ? 学年首席の…」
「ああ、アイツか」
何故だろう…。
違うと信じたいのに、警報が大きくなっていってる気がする…。
「今日、たまたま話たんだけどさ、なんてーか…。
うまく伝えられねーけど、とにかく おもしれー奴だった!」
「何だよそれは!!」
(そこで深追いすんな!
「ふーん」 とか言って終わらせろ馬鹿!!」
何がそんなに興味を引いているのか…、深追いする隼人に俺は内心苛立ってきた。
「噂通り綺麗な奴だったぜ!
笹川とはまた別のタイプって感じだった」
「んなこと聞いてねーよ!!」
(そうだ!
そして話を終わらせろ!!
アイツの話題は避けたいんだ!)
しかし、俺の思い虚しく…。
「そう言えばアイツってツナと幼なじみだったよな?」
「え! そうなんですか10代目!?」
「絶対違うからーーーーーーーーーーーーッ!!!!」
武の衝撃的な勘違いに、何とか素を押し込めて、ちゃんと演技で叫べた俺は誉められるべきだと心底思う。
―君と俺と勘違い―
(本当の幼なじみの委員長だけでも面倒くさいってのに、アイツまで幼なじみとか冗談じゃねーよ!!)
俺の神城の克服計画は、今はまだ停滞中だ。
※野球少年の番外編は、書こうか悩みましたが結局書きました!
武はツナとヒロインが小一から一緒のクラスだと知っていたので、何となくそのまま「幼なじみだよな〜」なノリでそう思っていただけです。
ちゃんとその後、ツナの必死な説明により誤解は解けます(笑)
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