今日は運命の日!なーんて俺が勝手に意気込んでるだけだけど。俺にとっては運命の日で。大好きな堺さんはいっつも俺に何かをくれる。料理を作ってくれたり服をくれたり、あとは愛とか・・・なんつって。でも本当にいっつも堺さんは俺に何かをくれる。堺さんは気付いてないかもしれないけどそれにすごく助けられてる。だから今日は俺が堺さんにプレゼントするって決めた!そう、今日は付き合って半年記念日!


「堺さん!!チュース!!」

「うっせぇな、チビ」

「堺さんひどいッス!」


冷たい言葉をかけられても大丈夫。だって堺さん突き放したあとに絶対俺の頭を撫でてくれる。このときだけ俺身長なくてよかったなって思う。だって堺さんより背が高かったら撫でてもらえないかもしれないし。


「世良?行くぞ」

「あっ、うッス!」


前を歩く堺さんは超かっこいい。って本当俺の頭ん中堺さんばっかだな・・・。堺さんで満たされてる自分の脳内の事よりも!まず俺はどうやってプレゼントを渡すか考えなきゃならない。昨日も考えたけど結局決まらなくて。やっぱり、喜んでもらいたいし・・・


「・・・お前なんか悩んでんのか?」

「えっ?」

「心ここにあらずって顔してるぞ」

「ち、違うッス!そんなことないッス!」

「ふーん」


疑いのまなざしがびしびしと俺に注がれる!俺ピンチ!どうしよう今言っちゃわないと堺さんの機嫌悪くなりそうだし渡したほうがいいのかなぁなんて考えてると堺さんに手を取られて「帰るぞ」なんていわれてしまった。久しぶりのデートなのにどうしよう。すごい泣きそう


「別に怒ってねぇよ」

「え?」

「とりあえず帰るぞ」


本当に怒ってないようでその声色は優しい。でも、だったらなんで?なんて聞こうにも堺さんの歩幅について歩くのが精一杯で聞けないままだった。


堺さんちに着くとすぐに暖かいコーヒーを入れてくれて一緒にソファに吸い込まれた。堺さんは何も言わないけど左にある堺さんの体温が優しくてちょっとだけ涙が出た。あと、勇気も。


「堺さん」

「ん?」

「あの、これっ・・・!」


堺さんに大きな包みをずい、と差し出す。訝しげな表情で受け取った堺さんはかけられたリボンを解く。するすると小さな音が部屋に響く以外に音はしない。


「・・・マフラーか」

「あ、の今日っ半年でっ」

「わかってるから落ち着いて話せ」

「う・・・。きょ、今日堺さんが俺と付き合ってくれて半年で。だから、何かプレゼントしたくて」

「・・・あのな、俺とってなんだよ“俺と”って」

「え?」

「俺はお情けで付き合ってやってるわけじゃねぇよ。俺も、まぁ、お前のことが好きだし」

「さ、堺さぁん!!」

「いきなり抱きつくな!」


堺さんからの好きって言葉に思わず抱きついた。だって堺さんから好きなんて言葉めったに聞けない。すごく嬉しくてでも、また堺さんから大切なものを貰っちゃってなぜか申し訳ない気持ちになる。


「あの、マフラー気に入りましたか・・・?」

「あぁ、まぁ、な・・・とりあえずこれやるよ」


返事をはぐらかされてそのまま堺さんから大きな包みを受け取る。堺さん記念日覚えてくれてたんだ!なんて舞い上がりながらリボンを解いていく。包みを開いて見たものは、


「マフラー・・・」

「はーお前と思考が一緒だったなんてな」

「しかも、俺が買ったマフラーと色違いっ!」

「かぶっちまって悪いな」


堺さんに頭を撫でられる。そしてそのまま首をぶんぶんと横に振る。堺さんに貰ったのは俺があげたマフラーの色違いで、もう運命としかいいようがなくて。嬉しくて嬉しくて。


「堺さんっ堺さん!!」

「んだよ」

「好きですっ大好きです!愛してます!!」

「ばっ!突然言うな!恥ずかしいだろ!」

「だって、好きなんですもん!」


さっきより強く抱きつくと堺さんも腕を回してくれた。堺さんの腕も、声も、全部俺の!もう好きすぎてこのまま堺さんと溶けてしまいたいくらい!


「あー俺も、好きだよ」

「堺さん!」

「あーもー!うるせぇちょっと黙ってろ!」


なんていわれて唇をふさがれる。この体温と体温が混ざり合う感覚が大好きでキスに酔いしれる。そしてそのまま二人してドロドロに溶けていく。




百年ノ恋


(堺さん堺さん堺さん!)
(・・・恭平うるさい)
(も、もう一回呼んで下さい!)


110309
twtrのお題「プレゼントを渡すシーン」で書きました
え、とお題に沿ってる・・・?
とりあえずサクセラもあまあまだといい
世良が幸せならなんでもいい←
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