ベッドにごろりと寝転がっているとノックもなしに王子様が入ってきた。そいつはまったく気にする様子も無く手に持っていたコンビニの袋を乱雑に置いたかと思うと俺に覆いかぶさってきた。首筋に顔をうずめられてくすぐったいったらありゃしない。はぁ、と一つため息を吐いて頭をわしわしとセットが崩れるくらいにかき混ぜてやる。


「ひどいよ、タッツミー」

「ノックもなしに入ってくるような暴君な王子に俺は優しくしませんできません」


さっきより強くわしわししてやると嫌そうな顔で見つめてきた。そんな王子様の頭から手を離しほっぺたをむにーと引っ張る。試合中とか練習中とか愛し合ってる最中とかには見れない可愛い表情ににひーと笑う。嫌そうな表情の王子様が可愛くて可愛くていたずらしてやりたくなる。


「よーし、ちゅー!」

「わぁ、ちょっとなに?!タッツミー!」


おでこにちゅーしてやるとあわてた表情で俺から一気に距離をとった。あわてる表情がこれまた可愛くて俺はころころ笑った。


「あはは!ジーノかあいい」

「何言ってるの・・・可愛いのはタッツミーでしょう」


そう言うと王子様は俺にキスをした。唇同士が触れ合ってむにって音がした。ジーノとキスするの、すげー好き。でも絶対口には出してやんない。だって調子乗るし。そんなことを考えているとジーノが何かを考えてるポーズをして上半身を起こした。


「ジーノ?」

「う〜ん」

「なに」

「いや、」


そう言ってから静かに俺の下半身にジーノの顔が移動した。おちゃらけて俺がいやーんなんて言ってみたけど無視された。おいちゃんちょっと恥ずかしいよ?そんなことをしているとズボンの裾を捲りあげられて足がむき出しになった


「ちょ、ジーノっ!」


ちゅ


小さなリップ音がして、キスされたしかも膝に。ジーノはそのまま足を大事そうに撫でてくる。いとおしそうな表情で、だ。俺としてはやっぱり膝は手術痕があって見られたくない。でも、なぜか抵抗できなくて顔を両手で覆った


「タッツミー」

「んだよ、」

「綺麗だよ」

「はっ」


どんどん顔が熱を帯びていく。この膝にはいろんな思いが自分にはあって、できればていうかむしろ一生ジーノには見せたくなかったけど。ジーノにキスされてそれだけで自分という存在全てがこの王子様に愛されてるんだと実感する。結局大人の余裕ぶってからかってもジーノには勝てない。だって、俺を喜ばせるすべを知っているんだもの


「ジーノ」

「なぁに?」

「ん、すき」

「僕は愛してるよ」







ぜんぶあいして


(でもなんで突然膝にちゅーしたの?)
(え、全身でまだキスしてないとこを探したら膝だったんだよ)
(俺、全身にキスされたっけ?)
(覚えてないなら今から全身くまなくキスしてあげるよ)



110309
twtrのお題「関節キスをして顔を赤らめる」で書きました。
関節キスになっているかどうかw
膝関節です!←無理やりw
お題自体が関節キスって漢字を間違えていらしゃったのでそのままw


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